上海でケンとレビのフランス人対決が勃発
「ボルボ中国オープン」は2日目を終え、フランスのジュリアン・ケンが1打差の首位に立ち、それをディフェンディングチャンピオンで同胞のアレクサンダー・レビと米国のピーター・ユーラインが追う展開となった。
欧州ツアー2勝のケンは、トムソン上海浦東GCでの2日目を5アンダーの「67」でラウンドし、通算8アンダーとして首位に躍り出た。
1年前にこの大会を4打差で制して欧州ツアー初優勝を飾り、その後、ポルトガルでも勝利を飾ったレビは、14番で決めればこの日7つ目のバーディとなる短いパットを外し、その後、終盤のホールでも幾つかの過ちを犯した。
16番ではティショットをバンカーに入れると、24歳のレビは2打目を池へ打ち込み、このホールを6打のダブルボギーとすると、17番でもティショットをバンカーへ入れてボギーを叩き、最終ホールこそバーディを奪い返したものの、この日のスコアを「68」とした。
34歳のケンは前半を楽々と「32」で回り、後半に入るとパー5の13番でバンカーからの寄せワンバーディ。14番では2打目をピン側1mへつけてバーディを奪い、穏やかな午後のラウンドに午前中に回った選手たちのスコアが吹き飛ばされる格好となった。
「今日の方が断然良いプレーができたから、それが僕の良いスコアの主因だね」とケン。彼は先週の「深センインターナショナル」では4位タイに入っている。
「すごく快適だったし、殆どミスショットもなかったから、全体としてとても良いラウンドだったね」。
「先週の僕のパフォーマンスは間違いなく自信につながったから、今週は良い感じで入れたし、今もフィーリングは良いけれど、まだ先は長いからね」。
「今、フランスには多くの優れたゴルファーがいるから、リーダーボードの最上位付近に多くのフランス人選手の名前を目にするのは理に適っているんだ。週末もこのままの調子で行けたら良いね」。
夕食の際、レビとそれぞれの優勝のチャンスについて語り合うかと問われたケンは、「僕らは夕食を食べる際はゴルフの話はしないんだ。何か他の話題について話すようにしている。ゴルフの話をするのは退屈だから」と切り返した。
ケン同様、ユーラインも前半を「32」でラウンドしたのだが、後半に入ると10番と16番でボギーを叩いてしまった。それでもかつてサー・ヘンリー・コットン最優秀新人賞に輝いたユーラインは最終ホールでイーグルを奪って後続集団から一歩抜け出すことに成功した。
午前中のラウンドでターゲットとなるスコアを出したのは、先週の王者であるキラデク・アフィバーンラトとマッテオ・マナッセロで、両者は2日目を「68」でラウンドし、通算5アンダーとして暫定首位でクラブハウスへと引き揚げた。
この2人は4位タイで週末を迎えることとなり、このグループには他にも先週2位のリー・ハオトンと中国の同胞、呉阿順、そして更に2人のフランス人、ジェローム・ランド・カサノバとロマン・ワッテルがつけている。
昨夏のロリー・マキロイ以来となる、欧州ツアーでの2週連続優勝を目指すアフィバーンラトは、先週の優勝で自信を漲らせていることを認めた。
「とてもハッピーですね。特にここはタフなプレーを強いられますから。グリーンは傾斜がありますし、コースはとても硬いですね」とアフィバーンラト。
「先週ほどドライバーの調子が良くありませんが、それ以外は上々の出来ですし、特にショートゲームが冴えています」。
「まだ良い感じは続いていますね。良く休んで良く食べましたから、気分は良いですし、いつでも行ける気がします」。
「精神的にも研ぎ澄まされていますし、自信がありますので、これを継続して行くだけですね」。
「(先週に続いて)母はここへも来ていて、この調子で2連勝しなさいと言われましたので、彼女のためにもそれを実現できたらと思います。母は幸運のお守りなんですね」。
今季、出だしの5大会で予選落ちを喫していたマナッセロは、直近の2大会ではそれぞれ59位と29位に入るなど復調の兆しを見せ始めている。それでも欧州ツアー最年少優勝記録を持つマナッセロは、まだ完全復調へ向けた中途にある。
先週22歳になったばかりのこのイタリア人選手は、「とてもソリッドなゴルフがプレーできていますし、自信を取り戻し、また良いスコアが出せるようになったので嬉しいですね」と述べた。
初日を4アンダーとし、首位タイで2日目を迎えたブラッドリー・ドレッジ、マイケル・ヘンドリー、そしてデービッド・ハウエルの3人だったが、この日を「72」でラウンドしたハウエルのみがトップ10に踏みとどまっている。