欧州ツアー初優勝を狙うウッドが首位へ
これまでに10位以内の成績を19大会で収めた事のある、イングランド出身クリス・ウッドは「コマーシャルバンク・カタールマスターズ」で、欧州ツアー初となる優勝を勝ち取るチャンスを大きく広げた。
80名以上の欧州ツアー優勝経験者が参加するこの大会で、ドーハゴルフクラブでトップをひた走るのは、本日8アンダー「64」、通算15アンダーを記録した25歳だ。
2009年ターンベリーでの「全英オープン」を含む欧州ツアーでの勝利を、これまで惜しいところで逃してきたウッドは、首位に2打差でスタートした本日を、2位に3打差のトップへと駆け上り、最終日に追いかけられる立場となった。
昨日トップの4名のうち、「ライダーカップ」のスターであるセルヒオ・ガルシアとマーティン・カイマーはそれぞれ「70」、「72」。ガルシアはパー5の最終ホール、3打目が池に落ち、6打叩いてしまった。
ここまで先頭集団にいた他の2人、オーストラリア出身マーカス・フレーザーとポルトガル出身リカルド・サントスも後退。現時点で2位タイは、米国ツアーチャンピオン経験者のサイモン・カーン、「64」で終えたニュージーランド出身で2005年「USオープン」優勝者マイケル・キャンベルとスウェーデン出身アレクサンダー・ノレン。
ウッドの本日のハイライトは548ヤードの10番ホールのイーグル。世界ランク142位は、そこまで5バーディと好調だったが、8フィートのパットを決めて優位に立ち、その勢いを持続している。
12番ホールに3パットでボギーを叩いたが、2ホール後、6フィートのバーディパットを決めて立ち直り、307ヤードの16番ホールでは更に調子を上げた。
「非常に興奮しています。生涯ベストのラウンドとは言いませんが、非常に安定したプレーをし、チャンスをたくさん作りました」とウッドは述べた。
主戦場となる欧州ツアーでの初勝利を狙っている立場ではあるが、優勝は昨年8月のタイオープンで経験済み。
アマチュアとして参加した2008年の「全英オープン」で5位。その12カ月後には、クラレット・ジャグにあと僅かで手が届く経験もしている。スコア「67」で終えたラウンドの最終ホールをボギーで終え、トム・ワトソンとスチュワート・シンクとのプレーオフに加わる事が出来なかった。
以来、彼は2位を3大会で経験。そのうちの一つが、ダレン・クラークに4打差のリードをひっくり返されたマジョルカのファイナルラウンド。北アイルランド出身のダレン・クラークは、その直後に2011年全英チャンピオンとなっている。しかし、今回のウッドは、トップを守る準備が整ったと感じている。
「最終日に優勝を狙えるグループに入っていれば楽しい事になるな、と考えて今日は出かけました。リードも出来たので、すこし余裕が出来ました」と語った。
「もちろん厳しい戦いになるでしょう。欧州ツアーのトーナメントで優勝するのは大変なことですから、難しい闘いとなるでしょう」。
カーンは31位で3日目をスタートしたが、最初の7ホール中6ホールでバーディ、最初の13ホールで8つのバーディを記録。
ウェントワースクラブでの勝利以来、10位以内の入賞が一大会のみ、世界ゴルフランキング486位の40歳は、「ウェントワースクラブでの優勝から、タフな数年を経験したよ。優勝争いの興奮が蘇って来て、驚きと喜びで一杯だよ」と語った。
敗戦の苦さを良く知っているキャンベルは、6ヶ月前、世界ランク900位にも入っていなかった。そこから順位を264位まで上げた彼は、3ラウンド連続で「68」。「自信が日々、深まって来ている」と述べた。
ノレンは最後の7ホールで4つのバーディを獲って「66」。ガルシアを南アフリカ出身ブランデン・グレースと並ぶ5位タイに追いやった。
カイマーは11位タイまで下がってトップに6打差。世界ランク4位のジャスティン・ローズは「71」で首位に9打差の31位で、世界ランク5位のルイ・ウーストハイゼンを2打差で追っている。