全米プロ5位!インド出身のラヒリに世界も注目
アジアンツアーを主戦場にするアニルバン・ラヒリ(インド)が、メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」で5位タイに入る活躍をみせ、インドスポーツ史に新たな1ページを加えた。その成長力には世界も括目し、評価が高まるばかりだ。
28歳のラヒリは大会最終日のスコアを「68」の4アンダーとし、通算13アンダーというメジャー大会における自己最高のスコアをマークした。この順位は、2008年の同大会で同郷インド出身のジーブ・ミルカ・シンの9位タイという記録を上回った。
ウィスリングストレイツで見せた素晴らしいパフォーマンスで、ラヒリの世界ランキングは53位から38位まで浮上した。この浮上は、10月に韓国で開催される世界選抜と米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」で、ラヒリが世界選抜の一員となる足掛かりとなるかもしれない。
大会初日から「70」、「67」、「70」と好スコアをマークしたラヒリ。最終的には優勝したオーストラリア出身のジェイソン・デイに7打差をつけられて終わったが、本人も「実に素晴らしい一週間だった」と振り返った。
「今大会で上位に進出することができたのは、気分の良いものだし、収穫もあった。どんなに過酷なコースでも、どんな相手とでも渡り合っていけるという自信がついた。まだまだこれからも成長できるし、もっとたくさんこういう試合をしたいと思っている」
アジアンツアーで優勝7回のラヒリは、メジャー大会でキャリア最高の結果を出せたことは、いつの日か夢見るメジャー制覇を現実にするための励みになるとも語った。
「この結果はどんな相手とも争えることを自分自身に証明できた。それは何よりも励みになるんだ。ここで十分に戦えるということを証明したんだ。でも今週は何も考えないで少し休むよ」。ここ18カ月で4回の優勝を果たしているラヒリは言った。
火曜日に行われたドライバーコンテストでは優勝した。最終日、前半18ホールで4つのバーディを奪い「32」で折り返した。しかし10番で3パットを喫してボギー。その後、2つのバーディを奪うも、最終18番でグリーン横のバンカーにつかまりボギーを叩いた。
「パットが好調だった。でもスコアが少し伸びなかった。グリーン周り4ヤードあたりからのアプローチの調整が足りなかった」とラヒリは言った。
「私は本当に恵まれた組に入った。うまくプレイできていたし、いいショットも打てていた。ただ10番で5~6フィートからの3パットは私にとって胃を蹴りあげられたようなものだった。それは私の息の根を止めたんだ」
「その状況から巻き返そうと、自らを奮い立たせたんだけどね。2つ、3つのショットがもう少し良ければPGAツアーの来季出場権に届いたかもしれない。だから少しがっかりしている」
ラヒリは、ゴルフ界のスターたちと肩を並べられるところへ近づいたことを感じている。ジョーダン・スピース、ロリー・マキロイ、ジェイソン・デイ―みんなラヒリと同じ20代の選手たちだ。
「今大会で優勝争いが場違いであるとは感じなかった。それはとても大きな経験だ。私は誰と、いつ、どんな状況でプレイをしても、落ち着いていられる。そして自信もある。いい兆候だね」とラヒリは、つかんだ手応えを噛みしめていた。