アジアンツアー会長寄稿/2015年8月号
アジアンツアー・チラハン会長「我々のスター選手に大きな拍手を!」
7月の全英オープンとオメガ・ヨーロピアン・マスターズでは、我々のツアー選手たちによる賞賛すべきプレーを目撃した。
脚光を浴び続けている男といえば、アニルバン・ラヒリ以上のものはいない。セントアンドリュースで行われた今季メジャー第3戦を30位タイで終え、オメガ・ヨーロピアン・マスターズでは堂々たる5位。賞金ランキング首位の座をより堅固なものとした。
アニルバンはゴルフの聖地で確かに目を引くようなプレーを見せたが、週末は後半の9ホールで苦しみ、良いスコアを残せなかったことに落胆した。
第3ラウンドの途中、このインド人はリーダーボードの上部にあとわずかまで迫ったが、決定的局面でスコアを落として追撃はならなかった。
全体としてみれば、アニルバンはアンダーパーで4日間を終えるなどアジアンツアーを代表する選手として好プレーを見せたし、最高峰の舞台で戦った経験は、世界をあっと言わせる活躍を目指す彼にとっては財産となるだろう。
昨年、アジアンツアーの賞金王に輝いて全英オープン出場を決めたアメリカのデビッド・リプスキーも彼の背中を追いかけている選手の1人だ。
第2ラウンドと第3ラウンドはボギーなしの好プレーを見せたものの、最終日は「73」を叩いて自身初のメジャー大会を58位タイで終えた。
アジアンツアーの新しい世代の選手たちが、次々と新しい段階に上り詰めていくのを眺めるのはとても興奮するものだ。デビッドやアニルバンがそんな彼らのために道を整えた。私は大勢の未来のスターたちが、彼らの足跡を辿っていくことを確信している。
アニルバンの名前は、オメガ・ヨーロピアン・マスターズのリーダーボードでは常に目立った存在だっただろう。だが、この一週間を通して、我々は韓国のペク・スクヒョンと、タイのジャズ・ジェーンワタナノンドの成長を目撃した。
それぞれ、25歳と19歳という若さで、世界はすぐにこういった若者たちに支配されることだろう。
その若さにも関わらず、ペクとジャズは、スイスアルプスの真ん中にあるクランスシュルシエレGCで開催されたオメガ・ヨーロピアン・マスターズで、底知れぬ才能を見せつけた。
彼らはまだアジアンツアーで優勝したことはないが、タイを拠点とするペクは2009年にアジアンツアーに加わって以降、2度の2位と14度のトップ10という堅実な記録を残している。
ジャズもタイが輩出した最もエキサイティングなプレーヤーの1人だ。彼が最初に注目を集めたのは、2010年にバンコクで行われたアジアンツアーインターナショナルで、14歳71日というツアー史上最年少で予選通過を果たしたときだ。
ペクとジャズは、それぞれアジアンツアーのシード権を6年、そして3年と保持し続けており、彼らがなにか大きなことを成し遂げてくれると期待している。
アニルバンが全英オープンとオメガ・ヨーロピアン・マスターズの成績により、アジアンツアーの賞金ランキングで下位との差を広げたことは当然だろう。彼は今925,484ドルを稼いで悠々と賞金ランキングトップの座に君臨しており、2位のアンドリュー・ドット(オーストラリア)とは実に50万ドル以上の差を築いている。
ラヒリの賞金王戴冠を阻むものは出てくるだろうか?12月になるまで勝負の行方は分からないので、引き続きアジアンツアーに注目を!