高見和宏がミノザ、中嶋常幸とのプレーオフを制し2年ぶり大会制覇
◇国内シニア◇ファンケルクラシック最終日◇裾野カンツリー倶楽部 (静岡)◇6,865ヤード(パー72)
快晴の下で行われた最終ラウンドを高見和宏が制し、2010年以来2大会ぶりの勝利を飾った。
首位に1打差の2位タイからスタートし、「72」とスコアを伸ばせなかったものの、通算9アンダーで中嶋常幸、フランキー・ミノザと首位タイで並んでホールアウトし、18番ホールで行われたプレーオフに突入。1ホール目で中嶋がバーディを逃して脱落すると、2ホール目をパーとしたミノザに対し、高見はきっちりとバーディを奪った。
通算8アンダー4位タイには、2日目を終えて単独首位だったデビッド・イシイのほか尾崎直道、水巻善典、加瀬秀樹、湯原信光らが並んだ。
<高見がプレーオフを制して逆転優勝!「本当にうれしい」>
前日までの天候変化が嘘のような快晴、32度の好天に恵まれた最終日、優勝争いは一時8選手が首位タイに並ぶ混戦模様を呈した。終盤、先に通算9アンダーの首位で上がっていたのはフランキー・ミノザと中嶋常幸。高見和宏は8アンダーで迎えた16番で、2人の名前をスコアボードで確認すると、「追いつくかもしれない」と、約12mのバーディパットを沈めてトップに並んだ。
しかし、プレーオフに持ち込まずに勝負を決めるには残り2ホールでのバーディ奪取が必要。追い込まれた場面で、「17番では奥から7m、18番でもギャラリーの方に『強く打てば入る!』と言われたのに打てませんでした」と、抜け出すチャンスをものにできず、天を仰いだ。
勝負はプレーオフへともつれ、1ホール目は高見が2オンに成功し確実にバーディを奪った。しかし、ミノザのカラーからの第4打がカップに吸い込まれてバーディ。中嶋は第3打をピン2.5mにつけるも、これを外して脱落した。続く2ホール目、ミノザは、ティショットをフェアウェイ右サイドに運ぶも、2打目を奥のバンカーに入れてしまい3オン2パットのパー。一方の高見は、「展開にツキがあった。ミノザがグリーンオーバーしたのを見て、楽に打てた」と再び2オンに成功する。イーグルパットは惜しくもカップを10センチ外してしまうが、最後はきっちりと沈めてバーディ。ガッツポーズでギャラリーの声援に応えた。
「疲れたけど、本当にうれしいです」。ようやく緊張感から解かれ、安堵の表情を浮かべながら発した言葉だった。「ここに来るまであまり調子が良くなかったけど、水曜日の練習ラウンドから球は飛ぶし、上がるし・・・」と、この展開に自身も驚いたと話す。初日に「66」、伸び悩んだ2日目も「69」をマークしての、最終日最終組だった。
昨年、待望の長女が誕生。「この歳になって子供も授かり、色々な思いが込み上げてきて・・・」と優勝インタビューでは、涙で言葉を詰まらせた。「子供が20歳になるまで頑張らないと!」とギャラリーを沸かせるサービス精神も忘れなかった。2010年ディフェンディングチャンピオンとしてのプライドと、長女、最愛の妻に捧げた1勝となった。
なお、今大会の3日間の総ギャラリー数は23802人。2010年の同大会が記録した22135人を上回り、シニアツアーにおける1試合あたりの最多来場者記録を更新した。