宮本が逆転勝利、最終組の68年トリオ敗れる
国内男子ツアー「ゴルフ日本シリーズ JTカップ」の最終日。今シーズンのツアー競技、最後のラウンドは天候にも恵まれ、12月だというのにポロシャツ1枚の選手も大勢いた。
12アンダースタートの深堀圭一郎を軸に最終組、そして、その前の組での優勝争いとなった。首位と4打差の3位からスタートした宮本勝昌がスコアを伸ばせば、ベテランの中嶋常幸、平石武則も喰らいついていく。相乗効果で3人ともスコアを伸ばした。前半にスコアを伸ばした宮本が、15番の難しいパー3でバーディでついに深堀を捕らえると、17番パー5では確実にバーディを奪い12アンダー。最終18番は10メートル以上あった下りのパットを2つで決めて優勝。3年ぶり2度目の日本にシリーズタイトルを手にした。
「3年前の優勝より全然落ち着いていましたね。状況、周りもよく見れましたし・・・何か妙に落ち着いてましたよ。今日、芹澤さんが応援に来てくれて・・・結果的にはずっと付いて頂いたんですけれど。芹澤さんの姿がちょこちょこ見えましたので、変な緊張感で、よっぽどそっちの方が緊張しましたね」
宮本にわずか1打足りず、今シーズン3回目の2位になったのは中嶋常幸。最終18番パー3では、ティショットをピン奥1.5メートルにつけたのだが、下りのパットを読みきれずプレーオフに持ち込むことができなかった。また、41歳でこの大会初出場となった平石も4バーディ、1ボギーで10アンダー4位に入る健闘をみせた。
一方、最終組の深堀、伊沢利光、谷口徹は、3人ともに1968年生まれということもあり、お互い負けられないという意地もあったのか、けん制しあったようで、あまりスコアが伸びなかった。9番ホールで首位の深堀、伊沢がダブルボギーを叩き、12番ホールまでは暗いムードが漂った。
しかし、終盤はそれぞれに気合の入ったショットを見せ、グリーンの外からでもピンを狙っていくアグレッシブなゴルフでギャラリーを沸かせた。最終18番では、伊沢が224ヤードを5番アイアンでピン手前1.5メートルにつけ、バーディを奪った。そして、首位と1打差で迎えた深堀はティショットをグリーン右サイドに外し、攻めにいったためにボギーとなってしまった。
結果的に2位で伊沢と中嶋が並び2人の賞金は1000万円ずつ。すでに賞金王を確定していた伊沢は、94年にジャンボ尾崎がマークしたシーズンの獲得賞金2億1546万円を上回る、2億1793万円を獲得。ツアー新記録を達成した。
また、米ツアー優勝という資格で参戦した丸山茂樹は、9番でチップインイーグルを決めるなどショットが良くスコアを伸ばしてきた。しかし、後半は1メートルほどのバーディパットを2、3度外し、優勝争いに絡むことができなかった。
そして、昨年の賞金王、そしてこの大会のディフェンディングチャンピオンの片山晋呉が、最後に意地を見せた。3日間終了して最下位と、いいところが無かったが、この日は6バーディ、ノーボギー。終盤の16、17、18番を3連続バーディでフィニッシュ。次の試合、来シーズンにつながるいい上がり方でシーズンを終了した。