2002年 全米オープン

最終日はタイガーとガルシアの一騎打ち?それともミケルソンを交えた三つ巴?

2002/06/16 09:00
リベンジなるかS.ガルシア

昨日からの風雨がなんとか止み、終日曇天となった今日はスコアを伸ばす選手が格段に増えた。アンダーパーで回った選手は13名。昨日の4名と比べれば、大きな差である。

初日、2日目と首位を守ったタイガー。今日は5アンダーからスタートしたが、5番と10番でボギーを喫し、3アンダーへ後退。後続の選手に追いつかれる可能性が無きにしも非ずという展開になったが、さすがは世界一のプレーヤー。15番、17番でバーディを奪い返し、今日イーブンパーの70、通算5アンダーで首位を守った。「長い1日だった。ずっとオーバーパーで回っている気分だったし、何人かの選手が快進撃で僕に近づいてきているのがわかったけど、なんとかこらえた。初日、2日目ほどショットは良くなかったけど、15番と17番でバーディパットが決められて、なんとか首位にとどまった」。

連続バーディのP.ミケルソン

単独2位に浮上したのはセルヒオ・ガルシア。今日5バーディ、2ボギーの67で回り、通算スコアは1アンダー。最終日はタイガーとガルシアが最終組で回る。「僕が怖いと感じるのはタイガーではなくて、タイガーとの4打の差だ」。タイガーとガルシアが一騎打ちを演じたのは1999年の全米プロだった。明日、そんな戦いが再現されるかどうか、期待は高まるばかりだ。

タイガーとの優勝争いはさておき、メジャー優勝を語るとき忘れてはならないのがフィル・ミケルソンだ。今日はボギーが先行し、順位を落とすかに見えたが、7番から3連続バーディを奪い、折り返し後も13番、15番、17番でバーディ。最終ホールをボギーとしたものの、今日3アンダー67、通算イーブンパーでジェフ・マガートと並ぶ3位タイに付けた。明日は後ろから2つめの組でラウンドするが、「私がバーディを決めてギャラリーを沸かせれば、後ろからプレーするタイガーやガルシアがプレッシャーを感じるのは確か。でも、そういう状況を作ってやろうなんて思ったら、私がボギーを叩くことになりがちだ」と、語っていたのが印象的だった。

強いN.ファルドが帰ってきた!?

3日目にベストスコアをマークしたのはニック・ファルドだった。前半2バーディ、後半はボギーも2つ出たが、バーディ4つで取り返し、今日4アンダー66。通算2オーバーで、2日目の20位タイから8位タイへジャンプアップした。

ミケルソンと同じ7位タイから3日目をスタートした丸山茂樹は、「風が止むと難しい。微風だと全ホールがアゲンストに感じてしまう」と、コメント。そのせいだったのか、今日は出だしの2ホールでボギーを喫し、後半も10番、12番でボギー。16番では唯一のバーディを取ったが、今日3オーバー73、通算6オーバーで17位タイへ後退した。

昨日はティショットが曲がると語っていた田中秀道。今日は絶好調だったファルドと同組だった。「フェアウェイを捉えた回数は昨日より多かったけど、パットのリズムがあまり良くなかった。完璧なプレーをするファルドを見て自分が情けなかった」とコメント。1バーディ、3ボギーで72のラウンドは、田中が言うほど悪くないが、通算8オーバーで順位は25位タイへ後退してしまった。

片山の調子は悪くなかった

片山晋呉にはハプニングがあった。前半はフェアウェイキープ率100%でイーブンのプレーをしていた片山だが、10番ではボギー、11番ではダブルボギーが飛び出し、16番でまたボギー。ホールアウトした片山は、「11番のティグラウンドでスロープレーの警告を受け、びっくりして走った、走った。それでリズムが狂ってしまって‥‥」と、納得のいかない様子。しかし、これには裏話があった。同組のフランクリン・ランガムが4番でルール委員を呼んだ際、そのルール委員が判断しきれず、別のルール委員の到着を待って6分が経過。片山は、そのせいで進行が遅くなり、スロープレーの警告を受けてリズムが狂ったと憤慨していたのだが、USGAのルール委員に確認したところ、これは英語による説明をその場で理解できなかった片山の勘違いだと判明した。

真相はこうだ。9番ホールで片山の組のペースが規定より2分遅れており、10番ホールで片山、ランガムそれぞれを計測したところ、たまたま片山のファーストパットが規定所要時間を10秒オーバーした。そこで、11番では片山だけが「今度タイムオーバーしたらペナルティになります」と警告を受けたのだが、片山は自分のパットのストロークがタイムオーバーだったとは知らず、プレーの進行全体が遅いと思い込み、そこから焦ってしまったのだ。真相を知った片山は、「英語がわからないと損だね」と一言。今日4オーバー74、通算10オーバーで42位タイへ後退したが、明日アンダーパーで回れれば、まだまだ上位フィニッシュは期待できる。

レポート&写真:BEYONDSHIP

慎重にラインを読むタイガー・ウッズ
再び4打差、タイガーは逃げ切ることができるのか!?
ギャラリーの声援!?に、吠える場面もあった
盛り上がるニューヨークのギャラリー
丸山はバーディが奪えず苦しいラウンドだった
グリップを余らせ、コントロールショットをする丸山
2オーバーで踏ん張った田中秀道

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