初日は日没順延 P.ミケルソンが「60」で首位快走、石川遼は出遅れる
◇米国男子◇ウェイストマネジメント フェニックスオープン 初日◇TPCスコッツデール(アリゾナ州)◇7,216ヤード(パー71)
フィル・ミケルソンが11バーディ、ノーボギー、自己ベストに並ぶ「60」をマーク。11アンダーは2位に4打差のリードをつけて、暫定ながら単独首位に立つ絶好のスタートを切った。米ツアー史上6人目となる「59」は惜しくも逃したが、ミケルソンは05年大会の2日目にも「60」をマークしており、この時は大会2勝目を手にしている。
7アンダーの暫定2位タイには、いずれもホールアウトしたブラント・スネデカー、パドレイグ・ハリントン(アイルランド)、ライアン・パーマーら5人が集団を形成。前年覇者のカイル・スタンリーは2ホールを残し、2アンダーの暫定58位タイとしている。
米ツアー自身今季3戦目となる石川遼は、2バーディ、3ボギーの「72」でホールアウトし、1オーバーの暫定104位タイと出遅れる滑り出しとなった。
なお、ドーピング疑惑の渦中にいるビジェイ・シン(フィジー)は、今朝の第1ラウンドスタート前に欠場している。
<P.ミケルソン、59に届かずガックリ>
ギャラリースタンドが設置されていない9番パー4。この日のミケルソンの最終ホールとなったグリーンには、おびただしい数のギャラリーが列を作った。7メートル強のバーディパット。ツアー史上5人が達成した「59」の最少ストロークを狙った一打。静寂の直後、願いのこもった大歓声が最高潮に達したとき、ボールはカップのまわりをクルリと一周した。悲鳴、叫び声が響き渡る。その中心で、ミケルソンは利き手で頭を抱え、笑っていた。
「今日は楽しい日だった。60を出したことには興奮しているよ」。2位に4打差をつけるロケットスタート。だがそこには、口惜しさばかりが募った。「最後のパットがカップをなめて入らなかったときは、本当に悔しかった。打ちひしがれた。59を出すチャンスなんかそうあるもんじゃ無いからね」。2005年の同大会以来となる自己ベストにも、喜びは半分。
「(2005年も)我を忘れるほどの思いだったし、今回もそうだ。でも“60と59”では大きな違いがある。“60と61”とは違うんだ。全然違う。59と60の間には大きなバリアがある。ベルリンの壁のようなね」。同組でラウンドしたリッキー・ファウラーも「最後はみんな残念だったと思う」と、快挙の瞬間を目撃できずにガッカリした様子も見せた。
それでも今季初勝利へ向けてはもちろん好発進だ。前週の「ファーマーズ・インシュランスオープン」ではタイガー・ウッズが圧勝。そのわずか3日後、早くも次の主役が決まった。