【WORLD】どうなるタイガーの2012年
Golf World(2011年12月19日号)/texted by Geoff Russell
負傷、そしてコート外で話題を提供し、落ちぶれかけたスターが復活の兆しをみせた。
タイガー・ウッズのキャリアを振り返ってみると、ある時期は「驚愕の天才」と賞賛されたかと思えば、またある時期は「恥ずべき」と批判の的にされたこともあった。そんなウッズの2011年を形容するとすれば、「不振から抜け出せないシーズン」とでも言うべきだろうか。
とにかく、全米ジュニアを優勝する前から数えたとしても、キャリア史上ワーストのシーズンだったと言っても良い。
2010年はライダーカップ最終日のシングルス、そしてシェブロン・ワールド・チャレンジで惜しくも優勝を逃す等、状態を上げていただけに、2011年は復活のきっかけになるのではないかとみられていた。しかし、(11年は)トーリーパインズCC(ファーマーズ・インシュランス・オープン)、WGCアクセンチュア・マッチプレー選手権、ドラール、ベイヒルと、自身が最も得意としてきた4コース、もしくは大会で失態を演じたかと思えば、マスターズでは優勝争いに絡む等、煮え切らないシーズンとなった。
ゴルフ自体も批判の対象となったが、マスターズで左膝とアキレス腱を新たに負傷し、復帰までに5ヶ月を要するという不運にも見舞われ、全米、全英オープン共の出場を回避する前のザ・プレーヤーズ選手権では9ホールでひどいプレーを見せ棄権。全米プロでも36ホールで散々なスコアを叩いて、PGAツアーのプレーオフにも進出出来なかった。シェブロン・ワールド・チャレンジでは2年ぶりの優勝を飾ったものの、重箱の隅をつつかせてもらえるのならば、これは出場選手が限られた、PGAツアーのレギュラーシーズンが終了してから2ヶ月後の大会だったということを考慮すべきではないだろうか。
ゴルフ以外の舞台でも話題を提供してくれる姿こそ、ウッズがウッズたる所以。今年7月には長い間キャディーとして傍らで支えてくれたスティーブ・ウィリアムスを解雇。その後お互いに誹謗中傷(ウィリアムスが中心だったが)を繰り返し、ウッズがハンク・ヘイニー(またはブッチ・ハーモン、エリン・ノーテグレン、もしくはヒューズ・ノートン)と関係を解消して以来の騒動として報じられた。プレジデンツカップにもキャプテンのフレッド・カプルスから指名され出場。ポイントでは出場資格に程遠く、批判を受けていたとしても不思議ではなかった(カプルスがメンバーを発表したのも期限日より1ヶ月も前の8月25日だったという点も問題だったが)。10月にはフライズドットコム選手権にも参戦。ウッズ自身にとっても初のフォールシリーズ出場だった。
1年をトータルで振り返ってみると、ぱっとしないシーズンだったからこそ、今年(11年の)最後を優勝で終われたことで、ウッズ、そしてファンも内心ホッとしたことだろう。ようやくゴルフコース上のことで話題を集められたことは、ウッズ自身が何よりも望んでいたことなのだから。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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