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ナイキの新ヴェイパードライバー2モデルはスピン軽減が目的

2014/10/26 13:25

By Jonathan Wall, PGATOUR.COM

近年、市場にアジャスタブル・ドライバーが並ぶようになった。多くのモデルには調節可能なホーゼルが取り付けられ、レンチを使えばロフト角、フェース角、ライ角を変えられる。

いくつかのメーカーは最近、ほかにも調節可能なパーツを追加し始めている。クラブの重量を調節でき、重心をヒールやトゥに移動させることでドロー、あるいはフェードを打ちやすくするという特徴が一般的になりつつあるようだ。

重心を縦方向にシフトできるようになったドライバーもある。たとえば、キャロウェイゴルフ ビッグバーサ アルファ 815ドライバーなどは、重心を縦方向に移動させることで打点とマッチし、中・低スピンになる特徴を持っている。

最近のトレンドは、ヘッドの重心を前から後部に移すことだ。ナイキの新しいヴェイパーフレックス(Diamana S +60Gブルーボードシャフト、499ドル)には、ソールに“ファイトポッド”と呼ばれるRZNチューブが入ったフレックスフライトシステムが採用され、これを調節することで、クラブのロフト角とフェース角を変更でき、スピン量と弾道をそれぞれ別に変えられるようになった。

ファイトポッドは、ナイキが最近発表したヴェイパーアイアンとゴルフボールのレジン(RZN)にも搭載された軽量のポリマー樹脂を使ったRZNテクノロジーによりデザインされた。ポリマー樹脂を使ったことで、ヘッド全体の軽量化に成功したという。

ナイキの開発ディレクターのネイト・ラドクリフ氏は、「RZNのパワーが、クラブヘッド内の質量の移動を可能にした」と言う。

ドライバーのソール内にあるファイトポッドのポジション(前後、あるいは低く後方)により、ゴルファーは重心を変え、打ち出し角、スピン率、ミスへの許容性(「ミッド」のセッティングで向上)、操作性(「ロー」のセッティングで向上)を最適化できる。

ラドクリフ氏は「フィッティングの過程で、アスリートが求める理想的なショット、ボールの軌道を得るための最終調整ができる。これこそ、フレックスフライトの機能なんだ。シンプルに4分の1回転させることで、フレックスフライトのウェイトを前後に移動させられ、弾道と軌道も変えられる」と話す。

ヘッドの重心移動可能域は2ミリ。非常に小さく感じるかもしれないが、重心を後ろから前に移動させるとスピンが300rpm減る一方、前から後ろに移動させることで打ち出し角が1度変わることになる。

ソールのフレックスフライト機能とともに挙げられるヴェイパーフレックス(来年1月30日発売)の特徴は、コバート・キャビティバック構造を強化したフライビームテクノロジーと、再設計されたコンプレッションチャネルの採用だ。

ヴェイパーフレックスに搭載された変更可能なコンプレッションチャネルは、数年前のナイキ VR PROドライバー シリーズから搭載され、ソール部分に刻まれた溝により、特に芯を外した際、フェース全体のスプリング効果が発揮される。

コンプレッションチャネルはリーディングエッジ寄りの位置に配置され、易しさがアップし、芯を外したショットでも、より速いボールスピードを生み出せる。

そしてコバート・キャビティデザインは、2つのシルバーフライビームにより進化(コバート2.0は、「Fly-Brace」と呼ばれる同様のテクノロジーを持っている)し、ソールとクラウンの一体化に成功。これにより、クラブヘッド後部の安定性が増した。

ナイキはフレックスロフトシステムのデザインも一新。フレックスロフト2は前のモデルから5グラム(30パーセント)の軽量化に成功。ウェイトを再分配し、より良い打ち出しとより速いスイングスピードを生み出す。5種類のロフトオプション(8.5度から12.5度)、3通りのフェース角で15種類のセッティングが可能となっている。

2015年にナイキが提供する460ccモデルのヴェイパースピード(Fubuki Z50Gシャフト、299ドル)は、ラインアップの中で最大の慣性モーメントと安定性を実現。ラドクリフ氏によれば「クラウンをフェースから後ろにかけて勾配をつけ、ディープフェースにしました。これにより重心がフェース寄りに移動。コバート2.0と比較すると、著しくスピンを減少させられた」という。

このヴェイパースピードは、「ライダーカップ」からロリー・マキロイが使用し始めたヴェイパープロ・ドライバーよりも易しく、高打ち出し角、ロースピンを実現している。