2026年 ドラッグストア・コスモスカップ

ツアーに“カメ”がうじゃうじゃ お腹を解剖して見えた「TRTL」パター人気の背景とは

2026/10/05 13:00
組み立て待ちのカメが並んでいた

◇国内男子◇ドラッグストア・コスモスカップ 事前(29日)◇グランフィールズCC(静岡)◇7156yd(パー70)

カメの行進が止まらない。

「ANAオープン」での内藤寛太郎の優勝は記憶に新しいだろう。18番のグリーン上で彼の手に握られていたのがオデッセイ「TRTL(タートル)」S2S(スクエアトゥスクエア)、通称“カメパター”だった。そしてその翌週には「アーカンソー選手権」で米LPGAツアー初優勝を果たした西村優菜のパターも、その「TRTL」S(スラント)だった。いま男女問わず、空前のカメブームが起きていると言っても過言ではない。やはり勝っている選手が使っているパターというのはみんな気になるものだ。

実際にカメの使用状況を調べようと、キャロウェイのツアーバンに行くと、まさに組み立て待ちのカメが所狭しと並んでいて、まるで産卵のために浜辺に上がってきたウミガメの一群のようだった。みな首を長くして、作業を待っている…ように見えた。まさに、内藤の優勝後、追加オーダーが殺到していたのだ。

カメのライ角調整

実際に男子ツアーでの使用選手を聞くと、内藤寛太郎(S2S)、香妻陣一朗(DB)、中野麟太朗(DB)、勝亦悠斗(ロングCH)、小田祥平(CH)、チョ・ミンギュ(CH)、市原弘大(S2S長尺)、リュー・ヒョヌ(S2S)、片岡尚之(DB)、生源寺龍憲(S)、中野麟太朗(DB)、中島邦宏(DB)、服部雅也(CH)、湯原光(S2S長尺)、内山遥人(DB)、森博貴(S)、鈴木隆太(CH)【()内はネック形状 。CHはクランク、DBはダブルベンド】とキリがないほど。名前の中に香妻や片岡、生源寺といったパット巧者がいるのは非常に興味深い。

生源寺の希望をレップが下書きしたヘッド上部

練習日、ツアーバンの中には、雨で練習ができずにいた生源寺龍憲がいて、パター担当者に「ああでもないこうでもない」と、カメパターの追加チューニングリクエストをしていた。

「一度試合で使ってすごく良かったのですが、カメのお腹が空洞になっているって聞いてやっぱりなって」。生源寺の言葉を借りれば、「打感がちょっとスカスカする感じがした」と言う。実際にパター担当によれば、TRTLはアルミボディを採用しヘッド内部を空洞にして、その分の余剰重量を4つのウエートに分けて配分しているとのこと。その空洞が打感に影響すると生源寺は感じ取っていたのだ。アマチュアにはなかなか感じ取れないレベルだが…。

TRTLのお腹を開けてチューニング

さて、その話を受けて、ツアーレップはどうチューニングしたのか。まずはカメのお腹を開け、空洞部分の特にフェース側に鉛のウエートを入れ、グルー(接着剤)で封入。そのままだと重くなりすぎるので、4つの各ウエートを最軽量の2.5gにし、最後にソールに鉛を貼って重さを微調整した。「芯が生まれて打感が激変しました。インパクトの音がクリアになり、ボールにヘッドの質量がしっかり伝わる感覚がある」とカスタムTRTLに手ごたえを感じていた。

4つのウエートがあり調整幅は広い

カメパターが人気の理由は、その慣性モーメントの高さや、振りやすさ、転がりの良さなどが挙げられるが、いままさにこの生源寺が体感したチューニング力も大いにあるだろう。それはつまり、調整幅が広いこと。ネックの種類(4種類)、ウエート(4カ所×2.5~10g)、ヘッド上部のサイトライン、インサートなど、選手一人ひとりに対してカスタムの“のりしろ”が大きいのだ。「パターって重くするのは簡単なのですが、軽くする方が難しい。でもこのTRTLはその辺りがけっこう自在なんです」とパター担当は話す。

ヘッド内部にウエートを入れた”術後”のパター

長尺のヘッドを作る際にはバランスをとるためにどうしても重量調整が求められ、ヘッドによっては内部を開けてウエートをつぎ込む作業が必要となる。このTRTLはソールウエートを入れ替えるだけで簡単に重量調整ができるため、市原弘大ら長尺ユーザーがハマるのも自然の流れだった。

中野麟太朗も最近カメパターを投入した

勢いの止まらないカメ旋風。ただ、その中でもじわじわとクモ(スパイダー)も存在感を出しており、さらにキャメロンのファントムもじわり使用選手を増やしている。ツアーのパター勢力図から、この秋はしばらく目が離せそうにない。(静岡県三島市/服部謙二郎)

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