2014年 WGC HSBCチャンピオンズ

4番目に易しい!? 優勝争いでは波乱続出の魔のホール

2014/11/07 10:38

By Jeff Shain, PGATOUR.COM

4番目に易しい!? 優勝争いでは波乱続出の魔のホール※画像は2013年大会(Scott Halleran/Getty Images)

「WGC HSBCチャンピオンズ」が“アジアにおけるメジャー大会”ならば、会場のシェシャンインターナショナルGCの西コース、538ヤードの最終18番もまた、アジアで最も印象に残るホールとして歴史に残るかもしれない。

最も歴史の浅いWGCの大会会場は、パー5の18番でのバーディで勝負が決まっている。ここには過去9回のうち2度のプレーオフも含まれる。とはいうものの、ホールの右側に沿うようにして配された池が、ティショットとアプローチショットを打つ際のプレッシャーになる。実際ここでは、数多くの池ポチャも起きているのだ。

「ティショットで定位置につけたら」と言うのは、グレーム・マクドウェル。「3か4で回れるよ。だけど一度ミスを犯せば、例えばボールが少しでもそれたり、予想外の展開に見舞われたら、ボギーやダブルボギーは確定してしまうだろうね」

2007年の「HSBCチャンピオンズ(当時)」で行なわれた、三つ巴のプレーオフがその一例。フィル・ミケルソンがボギーを叩き、ロス・フィッシャーが最終18番で2オーバーとし、勝負はプレーオフに持ち越された。

プレーオフにはリー・ウェストウッドも参戦。彼はパーセーブに成功してプレーオフに駒を進めたが、2ホール目にミスをおかした。

ウェストウッドはバーディでミケルソンの優勝が決まった後、「自分がプレーオフに進むなんて、想像もしてなかった。残り1ホールになった時でさえ」と振り返った。「だけど、ミケルソンとフィッシャーはもっといい成績で終わるはずだった。まあ、初めての18番ホールでのゴタゴタに見舞われたからね。なんとも興味深い大会だよ」

18番ホールは池のカーブを囲むような形状で、左へと飛ばし過ぎるとひそかにOBが待ち受けている。フェアウェイからでも、220ヤードほどの第2打は、2オン狙いにすべきかどうかプレーたーたちを悩ませる。

池はホール右側からグリーン手前まで突き出ているので、飛距離が足りないと悲劇が待っている。2009年大会最終日でミケルソンを追いかけていたアーニー・エルスが池につかまり、勝利のチャンスを逃したのがこの場所だ。

「手ごわい下り傾斜があって、僕は(クラブを何にしようか)迷っていた。4番アイアンは無理だなと思っていたよ」と、エルスは振り返る。「5番ウッドで左を向いてスライスさせようと思った。だけど下り傾斜のせいで、体重が後ろに残ってしまい、(ボールよりも先に)地面を叩いてしまった。ダフってしまったわけさ」

統計で見れば、シェシャンインターナショナルGCは昨年大会の中で4番目に易しいコースに選ばれている。だがよく見ると、会期中でイーグルが出たのは3回だけ。易しいコースランキングに入った、パー5のホールでは異例ともいえる。

その一方で、ダブルボギーかそれ以上は13回。トータル数では2つのホールを上回るだけだ。「手ごわく、重要な最終地点だね」と、2011年大会の覇者マーティン・カイマーは言っていた。

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