「WGC HSBCチャンピオンズ」アラカルト
By Jeff Shain, PGATOUR.COM
11月6日から9日まで行われる「WGC HSBCチャンピオンズ」のコース詳細やこれまでの歴史、昨年の模様をまとめてご紹介する。
コース:
中国のシェシャンインターナショナルGC (西コース)は7266ヤードのパー72。樹齢1000年のイチョウの木々に人工池、そして自然の岩に囲まれたネルソン&ハワーズの設計コースは、ミッションヒルズで開催された2012年大会を除き、9年間、大会の会場となってきた。コースの開業は2004年。上海地区で初めてのゴルフクラブで、敷居の高いクラブの一つでもある。タイガー・ウッズはかつて、コースのレイアウトを“アジアゴルフ界の至宝”と称した。起伏の激しいレイアウトに変更すべく、作業員たちは200万立方ヤード(約153万立方メートル、東京ドームの容積は124万立方メートル)以上の土砂を移動したといわれている。
フェデックスカップ:
優勝者は550ポイントを獲得する。
チャリティ:
WGC大会の主な寄付先はファーストティ。シンガポールの18の学校で行われているプログラムのHSBCユース・ゴルファーズやHSBCチャイナ・ジュニアゴルフ・プログラムといった草の根のゴルフ展開活動にも提供される。
出場選手:
79人の出場者リストには、フェデックスカップの覇者ビリー・ホーシェル、「マスターズ」で優勝したバッバ・ワトソン、「全米オープン」の前回覇者マーティン・カイマーら、世界ランキングの上位20人のうち12人が名を連ねている。世界ランキング1位のロリー・マキロイは元マネジメント会社との法的な争いが長引き欠場するため、2位のアダム・スコットが参加者の中では最高位だ。上位6位からはそのほか、セルヒオ・ガルシア、ヘンリック・ステンソン、ジャスティン・ローズも出場する予定。先日の「ライダーカップ」で優勝した欧州選抜メンバーはマキロイを除き、シェシャンインターナショナルGCに集まるが、米国選抜からは6人にとどまっている。今回初出場の中国人プレーヤー6人には、2003年に中国人として「マスターズ」初出場を果たしたチャン・リャンウェイの名もある。
72ホールの記録:
264ストローク(ダスティン・ジョンソン、2013年)
18ホールの記録:
62ストローク(マーティン・カイマー、2013年大会第3ラウンド)
前回大会:
ダスティン・ジョンソンが終盤にチップインイーグルを含む猛チャージで大会記録のスコアをマークし、3打差をつけてイアン・ポールターの連覇を阻んだ。ジョンソンは上がり6ホールで5アンダーを記録。中でもパー4の16番では、ティショットをグリーン手前に飛ばしてイーグルを奪取した。これも手伝って最終日は6アンダーの「66」でホールアウトし、通算24アンダーでPGAツアー8勝目を手にした。ジョンソンから3打差で最終日を迎えたポールターは、序盤の連続バーディで差を縮めるのに成功。イングランド出身のポールターは、13番に臨む時点では1打差をつけて首位だったが、ジョンソンがその後、同じくドッグレッグの13番でバーディを奪取し、終盤の追い上げを開始した。グレーム・マクドウェルも一時は首位に並んだが、「66」でホールアウトし3位に終わった。
筋書き:
秋の連戦も終わりに近づく中、今大会は世界中のトッププレーヤーの多くが一堂に会する2014年最後の大会になりそうだ。PGAツアーシーズンはあと1週間(メキシコでの「OHLクラシックatマヤコバ」)あり、欧州ツアーはファイナルシリーズの折り返し地点に差し掛かっている。欧州ツアーの「レース・トゥ・ドバイ」のポイントレースでマキロイに大差をつけられているガルシアには、今大会の優勝で差を縮めるチャンスもある。またステンソンにとっては昨年に続きタイトル獲得を果たすのに、有利に働くだろう。一方、ディフェンディングチャンピオンのダスティン・ジョンソンは、今年8月から個人的な問題の解決を理由に無期限でツアーを離脱しているため参加しない。
その他:
マレーシアでの「CIMBクラシック」に続き、PGAツアーのアジアンシリーズに挑むのは23人。欧州ツアーの選手30人は「BMWマスターズ」に続き、中国で2週連続のプレーをする。「WGC HSBCチャンピオンズ」は、タイガー・ウッズが優勝を果たしていない唯一のWGC大会。フィル・ミケルソンは2勝している。