米国男子ツアー

パーなら御の字?シーサイドの超難関ホール

2014/10/24 12:51

By Jeff Shain, PGATOUR.COM

昨年の大会では、クリス・カークがベテランのベアードをかわしツアー初優勝を果たした

イギリスの設計士、ハリー・コルトとチャールズ・アリソンがシーアイランドのシーサイド9を造った1920年代当時、最終ホールは短いパー5だった。

ヒッコリーシャフトとハスケルボールが使われていた時代のリゾート客にとって、これはこの上ないものだった。ただ、トーナメントにとっては、さほど魅力的ではなかった。

それを変えたのはトム・ファジオ。彼は1999年の改修で、コルトとアリソンが造ったコースをマーシュサイド・ナインの隣に移し、一緒にした。ファジオはシーサイドの最終ホールがさらに嵐を呼ぶパー4になると踏んだ。結果、このホールは「マックグラッドリークラシック」の短い歴史でもかなりのドラマを生んでいる。

「シーサイドの18番は間違いなく、難関ホールだ」と言うのは、ディフェンディングチャンピオンのクリス・カーク。昨年、ブライニー・ベアードと最終ホールのフェアウェイまで熾烈な戦いを繰り広げ、勝利をもぎ取った。

フェアウェイバンカーから第2打を打ったベアードは、ボールが18番ホール左のウォーターハザードに落ちるのを目にした。一方のカークは戦略を変えてパーセーブを目指し、1打差で優勝した。

(試合後)「価値のある、長いパー4だった」と報道陣に語ったカーク。「ティショットとアイアンショットで失敗すれば、パーは難しいだろう。パーセーブに成功しただけで御の字のホールだよ」。

470ヤードの18番ホールは、ティショットの飛距離と正確さが求められる。着地点の左にはバンカーが2つあり、右にはさらに大きなバンカー1つがある。湿地帯にあるこのコースでは、ショットがはるか右にそれる可能性もはらんでいる。

プレーが進むにつれて左側にはウォーターハザードが現れ、グリーン左右にもバンカーが配されている。

18番は毎年、なかなかバーディを獲らせないという点ではシーサイドで最も“ケチな”ホールに挙げられる。昨年大会でのバーディの数はたった36で、パー3のコース(3番と12番)に次ぐ結果となった。

2010年の「マックグラッドリークラシック」初回大会では、最難関ホールに選ばれた18番ホール。バーディの数は最も少なく(35)、逆にボギー以上は最も多かった(105)。

この大会では、ヒース・スローカムが最終ホールでボギーを叩きながらも優勝。ロバート・アレンビーの最終打は弧を描いて湿地帯へとそれていった。オーストラリア出身の彼は、同大会で2度目のダブルボギーを叩いた。

「チャンスをものにできなかった」と、試合後に悔しがっていたアレンビー。「己の力に任せて力強く打ったら、恐れていたことが起きた。(チャンスを)ふいにしてしまった」。

それから1年後、マイケル・トンプソンはティショットがハザードにつかまったせいで、ベン・クレインウェブ・シンプソンとのプレーオフの機会を逃した。

クリス・カークは大会期間中を通じ、18番でアンダーパーを記録した2人目の優勝者だ。彼のバーディ2つとイーブンパー2つという結果は、シーサイドでの大会出場者の中で最高だった。ブレンドン・デ・ヨングは2012年大会の18番ホールで3バーディを記録したが、大会3日目にボギーを叩いている。