2013年 ザ・マックグラッドリークラシック

マックグラッドリークラシック、最終日の分岐点

2013/11/11 17:17

By Fred Albers, PGATOUR.COM Correspondent

バーディ数は大会最多だったティム・クラークだが、15番(パー5)ではゼロだった。(Greenwood/Getty Images)

一度でもプレーしたことがあるゴルファーなら誰でも、ラウンド中にどこかのポイントでストレスを感じた経験があるものだ。クリス・カークにとっては、最終ラウンドの15番(パー5)がそうだった。カークは14番で19ホールぶりにボギーを叩いた後、続く15番の2打目をグリーン左の池に打ち込んでしまった。

ドロップ後の4打目、カークは今度はウェッジのヘッドを軟らかな地面にぶち込み、キャディがそれを回収する羽目に陥った。決してよい結果ではなかったが、緊張状態から少しは解放されたようだ。グリーンに来たとき、カークは少し落ち着いているようにみえた。直後に6メートルのパーパットを沈め、一方で動揺したブライニー・ベアードは1.2メートルのパットを外した。2打差がつく可能性があった、いやほぼそうなるはずだった状況だったが、カークは1打も失うことがなかった。

◆観察

【同情】:米国ツアーで勝利することはとても難しい。この日唯一のボギーを最終ホールで叩き優勝を逃したベアードには、ひどく心が痛む。フェアウェイバンカーに打ち込んでしまったベアードは、悪いライと不格好なスタンスからのショットをトップして、ハザードへと入れてしまった。毎週、優勝の行方を決めるショットというものがいくつかある。初日のミスパットと最終日のミスはスコア上では同じだ。けれども、我々はいつも試合の勝敗を決めるショットを思い出すし、ベアードの18番のミスは人々の心に刻まれるだろう。多分、15番も同様に鍵を握るホールだった。ベアードが1.2メートルのバーディパットを外して3パットのパーとして、2打差に広げるチャンスをふいにしてしまった。

【チャンス】:大会最多の20バーディを奪ったティム・クラークは、15番でチャンスをものにできなかったことが、自身2度目の米ツアー優勝を逃す原因だったろう。クラークはパー5のホールで2オンに成功するも、21メートルから3パットのパーで終わった。今週、この15番はクラークにとって鬼門だった。彼のこのホールの平均飛距離はわずか259ヤードに止まり、4日間いずれもパーで終えた。

【お尻の動き】:クリス・カークは残り5ホールに向けて順調に見えたが、突然“左”のミスに襲われた。カークは14番でドライバーショットを引っ掛けて左ハザードに打ち込み、15番の2打目もやはりフックが出て左ハザードに打ち込んだ。カークはお尻の動きを止め、球に向けて回転させることをやめていた。ゴルフは反作用のゲームで、もしプレーヤーがショットの時にお尻の回転を止めれば、球はますます左へと飛んでしまう。試合途中でカークが見せた修正はあっぱれだった。

【セットアップ】:ベアードのスウィングにはいくつか独特な点がある。体重を著しく左サイドにシフトさせ、スイングを開始する前にドライバーを地面の上でふわふわさせる。左足に体重を乗せることで、体が左に流れることを防ぎ、ドライバーを持ち上げることにより、スムーズなバックスイングを可能にする。

【純粋な敬意】:キャリアを通してケガと戦ってきたクラークは、これまで米国ツアーで勝利したのは一度のみ。今大会を2位で終えたことをクラークが残念に思っていることは容易に想像できる。それでも、通算13アンダーでのフィニッシュは優勝するのに十分だと思ったかと聞かれたクラークは、決してそうは思っていなかったと答え、さらにベアードがケガから復活したことに敬意を表し、彼が優勝していたら手放しで喜んでいたと語った。

2013年 ザ・マックグラッドリークラシック