2013年 WGC キャデラック選手権

WGCキャデラック選手権 2日目 レビュー

2013/03/09 16:44

ゴルフ界のビッグネームが良い位置につけているWGCでウッズは、途中8ホールで6バーディを奪うパフォーマンスで他を引き離し、快調な金曜のプレーで大会の前半を折り返した。この結果、2日目を7アンダーの「65」でラウンドしたウッズは、この日「67」でラウンドした元全米オープン王者のグレーム・マクドウェルに2打差をつけて単独首位に立っている。

ウッズにとって、全ては1打にかかっていた。

簡単な出だしのホールでバーディをとり損なうなど、単調な序盤を終えたウッズは、パー3の4番ホール、239ヤードのティショットを4番アイアンでグリーンの端をとらえ、ボールは楽々バーディが奪える位置まで転がっていった。彼の快進撃のラストを飾ったのも、パー3の13番、4番アイアンで放った高くやわらかな軌道を描いた224ヤードのティショットだった。

これら2つのパー3は、2日目に最も難易度の高いホールとして格付けされていたが、彼はこれらを2つともバーディとしたのである。

ウッズはこの2日間で17個のバーディを奪い、1999年の「HPバイロンネルソン選手権」で16個のバーディを奪ったときの記録を更新した。この記録の意味についてタイガーに問うと、微笑みながら「これで2打差の首位だ」という答えが返ってきた。

ウッズは「131」で通算13アンダーとなった。

マクドウェルは最終2ホールを連続バーディとして、(2位に浮上したことにより)ウッズとその長きにわたるライバルであるフィル・ミケルソンという、このドーラルの週末に於ける夢の最終組の実現を阻んだ。

今週初めのオーガスタナショナル来訪に触発されたミケルソンは、パー3の9番では9番アイアンを使い、あわやホールインワンというショットを打った。この日「67」でラウンドしたミケルソンは首位と3打差で、同様に「67」でラウンドしたスティーブ・ストリッカーと並んでいる。

ロリー・マキロイ(北アイルランド)は、不調からの脱出を感じさせる「69」をマークするものの、最終ホールでは不用意な3パットでボギーとしてしまった。それでも、今年初のアンダーパーとなるラウンドは、世界ランク1位の彼に多少の安らぎを与えただろう。しかし、ウッズとはまだ11打離されている。

かつてのWGCで何度も優勝しているウッズは、参加したここ10大会で優勝がない。しかし水曜日の午後にストリッカーからパターのコツを教えてもらってからは、以前に3回優勝したことのあるTPCブルーモンスターコースで調子を上げているように見える。

「彼に追いつくことはタフなことだね」とストリッカーは言った。「みんな、彼が先頭に立つと、追いついて、そして倒すのは難しいことだと知っている。彼はとても調子良さそうだね。全体的に上手く行っているようだ。これは追いつくのは難しいだろうね」。

今週末最大の難関は、TPCブルーモンスターとなるだろう。

グリーンは今週の陽射しと乾燥した空気で、すでに固くて難しい状態になっている。ウッズとマクドウェル、そしてほぼ全員が、より悪くなる一方だと考えている。

「このまま行くと月曜日までには、グリーンが裂けてしまうんじゃないかと思っているよ」とマクドウェルは語った。

数年前にこのリゾート地を買収したドナルド・トランプは、TPCブルーモンスターでの大会終了後に、改めての大規模な改築工事を検討している。もしそうなれば、数年前にウッズとマクドウェルが最終日に長時間の闘いを見せた「アーノルド・パーマーインビテーショナル」(協賛:マスターカード)を思い起こさせるだろう。

「あれは基本的には、オーランド版の全米オープンだったね」とウッズは言っている。「天気が今大会みたいに作用すると、スコアを伸ばす機会は得られなくなるし、ゴルフコース自体の難易度が一線を越えてしまうんだ」。

しかし、ウッズには気にならないだろう。ウッズは過去にタフなコースで強さを増し、それがメジャー大会で14勝を挙げた一因になっている。

「おもしろくなるだろうね」と彼は言った。

もっとおもしろいことに、ウッズは優勝した経験のあるコースで特に首位に立っていることが多いのだ。36ホール終了時点で少なくとも首位タイに立っているとき、彼のこれまでの戦績は35勝10敗だが、昨年は2勝2敗だった。その優勝を逃した大会というのは、「全米オープン「と「全米プロ選手権」である。

今年の北アイルランドのスターであるマクドウェルは、昨年末にシェアウッドで行われたワールドチャレンジで優勝し、10週間の休養を挟んで臨んだ今年、まだ予選落ちがない。「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」では準々決勝で敗退し、「ホンダクラシック」は9位タイで終えている。

ウッズに対して2打差を追いつくのはそう容易ではないが、マクドウェルには殊勲の実績がある。2010年のシェアウッドで4打差を逆転した彼は、最終ラウンドでウッズに対して2打差以上つけられた状態で唯一追いついたことのある選手だ。

「明日は大会を勝ちにいく日ではない。明日は順位やプレーの仕方を維持し、日曜日の午後に自分にチャンスがある位置にいるようにしなければならない日なんだ」とマクドウェルは述べた。「明日、誰とプレーするかは大きな問題ではない。タイガーはいつだってロープの中で、彼にしかできない芸当をやってのける。だけど僕は、何度も彼と対決したことがあるし、一緒にプレーすることが楽しみなんだ」。

「そして彼は確かに、逆転を目指して勝負にくるのであれば臨むところだ、と言っているように見えるよ」。

マクドウェルはこの日ミケルソンよりリードしていることには気を留めていないが、少しはモチベーションになっている。順位表にたくさんの大物が並んでいるのを見て、彼は4回メジャー大会で優勝している選手が躍進しているのに気付かざるを得なかった。

「フィルが僕の下から順位を徐々に上げているのを見て、『明日は(ここに割り込んで)台無しにしてやろう』と自分に言い聞かせたんだ。誰もが、タイガーとフィルが明日、最終組でラウンドするのを臨んでいるのは分かっている。だけど、自分にとっても最終組でプレーするのは楽しいからね。そここそ、自分が目指してきた場所だからね」。

ミケルソンはストリッカーと同組でプレーする。

「マスターズ」王者のバッバ・ワトソンは、不安定なバック9を乗り切り「69」として、9アンダーの通算「135」でフレドリック・ヤコブソン(スウェーデン)と同順位。かつての全米プロ王者でこの日「68」で終えたキーガン・ブラッドリーは、かつての「マスターズ」王者でこの日「65」としたチャール・シュワルツェル(南アフリカ)と並んで首位に5打差。

ミケルソンも、ここ5年間のウッズとの直接対決での成績が良いだけに、ウッズと最終組でプレーすることを望んでいた。ミケルソンはオーガスタ経由で2週間振りの復帰となったが、自身のプレーには満足しているようだ。

「オーガスタでプレーすることはとても崇高なことなんだ。ゴルフを愛する人であればあるほどね。そしてあそこを訪れることによって勢い付けられんだ」とミケルソンは語った。

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