完全復活のワトソン 「ゾンビのように」3度目のマスターズ制覇へ
◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ マッチプレー 最終日(25日)◇オースティンCC(テキサス州)◇7108yd(パー71)
優勝カップを手にするまでに5日間で7試合、計109ホールを戦い抜いたバッバ・ワトソン。決勝戦で大敗したケビン・キズナーは「(最後は)どうなったのか分からない。たぶん疲れたのだと思う」とエネルギーの消耗を敗因に挙げたが、ワトソンは最後まで乱れなかった。
ラウンド中の食事やドリンク補給だけでなく、「どこかでエネルギーをセーブしないといけない」と、ラウンド後の練習も控えてきた。最終マッチの7&6(6ホールを残して7アップで勝利)は、2016年のジェイソン・デイ対ルイ・ウーストハイゼンの5&4を抜いて、決勝戦での大会史上最多差勝利となった。
メジャー大会と世界ゴルフ選手権(WGC)でともに複数回優勝を成し遂げたのは、アーニー・エルス(南アフリカ)、ロリー・マキロイ(北アイルランド)、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズに次ぐ5人目。今季2勝目を挙げたワトソンは、自身3度目のグリーンジャケット獲得に向け、絶好の状態でオーガスタへと乗り込む。
2月「ジェネシスオープン」で2年ぶりの復活優勝。そして、2度目のWGC制覇。「ゾンビのようだと言われようとも、自分は頭を下げて、自分のやることに集中する。今週やったように、自分が打つすべてのショットにコミットする」と、「マスターズ」への意欲を語った。
そしてもう1つ。ワトソンは「ジム・フューリックが見ていてくれることを祈る」と繰り返し、今年9月末にフランスで行われる「ライダーカップ」の米国チームキャプテンへのアピールを怠らなかった。2016年大会時に、世界ランク7位にいながらキャプテン推薦で選ばれなかった苦い思い出は、まだワトソンの胸に残ったままのようだ。(テキサス州オースティン/今岡涼太)