イギリスのEU離脱 「全英オープン」の“実質賞金”に影響か
イギリスで23日、欧州連合(EU)からの離脱の賛否を問う国民投票が行われ、「離脱」が51.9%で過半数を上回る開票結果となった。一連の経緯を受け、イギリスの通貨ポンドは急落が止まらず、ゴルフ界では7月の海外メジャー男子の「全英オープン」の“実質賞金”に大きな影響が出る懸念が出てきた。
開票は日本時間の午前6時に始まり、昼前頃から次第に「離脱」の優勢が明らかになると、国際金融市場は大荒れとなった。対日本円の英ポンド相場は早朝に160円台の高値をつけたが、午前11時ごろからはポンド安が止まらなくなり、午後1時前後に最安値の133円台前半をつけた。対米ドルでは1.50ドルから1.32ドルへ1日で10%超安となり、31年ぶりの安値圏まで暴落した。
イギリス国内で開催される全英オープンの賞金は、ポンドでの受け取り。昨年の「全英オープン」で優勝したザック・ジョンソンは159万1255ポンドを手にした。米国人のZ.ジョンソンにとっては当時のレート約1.56ドルで計算すると約248万2358ドルが実質の賞金だった。この日の安値1.32ドルで計算すると約210万0457ドルで、わずか1日で38万ドル余り実質賞金が下がる計算になる。
日本人選手が優勝賞金を手にする想定で、対円レートで計算すると、2億5460万800円から2億1163万6915円へと約4300万円下がったことになる。ちなみに、国内男子ツアーで最も賞金が高い(2015年実績)のは「日本オープン」など賞金総額2億円の大会で、優勝賞金は4000万円――。
今年の「全英オープン」は、スコットランドに位置するロイヤルトゥルーンGCで7月14日に開幕予定。日本からは松山英樹、宮里優作、小平智、池田勇太、谷原秀人、今平周吾、市原弘大、塚田陽亮が出場する。英ポンド相場の行方にも注目したい。