背中の痛みを乗り越えて ジェイソン・デイ「ただ勝ちたかった」
2014年に続いて、再び「WGCデルマッチプレー」を制したジェイソン・デイ(オーストラリア)は、自信に満ちた口調でこう言った。「自分は偉大なマッチプレーの選手だと思う。いつも目の前のことに集中しているし、どんな状況でも決着するまであきらめない。それが自分の一番の強みだと思う」。
デイが突然背中の痛みに襲われたのは、水曜日の予選グループ第1戦。16ホールでグレーム・マクドウェル(北アイルランド)を下したが、立ち上がるにもキャディの助けを借りなければいけない状況で、そのまま治療へと直行した。
デイは言う。「ラウンド前に1時間、ラウンドが終わって1時間。ラウンドの合間に30分。とにかくノンストップで治療を続けた。背中の凝り固まった感じを取り除くためにね。それで、週末にかけて少しずつ良くなってきた」。
2週間後には、今季初メジャーの「マスターズ」を控えている。今週、デイのトレーナーであるコーネル・ドリエッセン氏は、南アフリカにいて不在だった。詳細な検査はできなかったが、デイの専属医とドリエッセン氏、さらに現場で治療を行ったバッバ・ワトソンのトレーナーらが綿密な連携を取り合った。
「このまま続けたら悪くなる、と言う人は誰もいなかったの?」と優勝会見で問われたデイ。「MRIで実際どんなことになっているのか見ないで、良くなるか、悪くなるか判断するのは難しい。チームは悪化する可能性も考えていたようだけど、聞かなくて良かったよ(笑)」。
「プレーを続けられて良かったと思う。こういう状況になると、精神的にあきらめてしまうことがある。確かに背中は痛むし、先週は(優勝をした)良い一週間だったから、今週を休みに当てるのも悪くない。でも、そうしたくなかったんだ。7人をやっつければ、この優勝トロフィーを手にできることを知っていたからね」
「勝ちたかった。ただ勝ちたかったんだ。もし、今の自分のプレーを続けることができれば、一週間が終わった後にこのトロフィーを手にしているだろうという思いが、自分をつなぎ止めたんだ」
直近出場の13試合でじつに6勝目を挙げたデイ。次週は休養と治療に充て、オーガスタへと乗り込んでいく。(テキサス州オースティン/今岡涼太)