「ありえないミス」松山英樹、最終18番で池ポチャダボ
米国男子ツアー「アーノルド・パーマー招待」が17日、フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開幕。松山英樹は最終ホールで第2打を池に入れてダブルボギーフィニッシュとなったが「70」で回り、2アンダーの27位タイでスタートした。
「ホントに池に(クラブを)投げそうになるくらいイライラした」。18番のフェアウェイ上。松山は必死に怒りを体に押さえ込んでいた。池の向こうのピンまで167ydのセカンド。硬いグリーンを警戒し「1ピン左、1ピン奥でも最高だった」というショットは8Iで芯をとらえられず、グリーン手前の岩で跳ねて水に沈んだ。
ひとケタ順位だった4アンダーから後退するダブルボギー。「ありえないですよね。あんなミスをしているようじゃ。フェアウェイの一番良いところから…。ミスをしてもグリーンには乗せなくちゃいけない」。同じ組で6アンダーの単独首位で終えたジェイソン・デイ(オーストラリア)との差は最後に4ストロークに広がり唇をかんだ。
2アンダー発進は決して悪い滑り出しではない。開幕前日は不調だったアイアンショットは「全然当たらない、という感じではなかった」。2つスコアを伸ばして迎えた後半13番では、残り123yd、52度のウェッジで放った2打目がカップのわずか手前に着弾し、ピンを叩いて60cmにピタリ。16番(パー5)は1W、5Iでグリーン奥のカラーまで運んで“2パット”でバーディを決めた。
だからこそ、締めくくりの悪さに口調は厳しくなった。「思い通りのショットが打てなくても、うまくしのいだり、バーディチャンスにつけられたりした。うまくいっていたのに最後に良くない部分が出た」
デイとともに回ったザック・ジョンソン(2アンダー)を引き合いに出し「ザックの中では『まだまだ』という部分があると思うんですけど、ショットの精度が、特にアイアンでコントロールされている。そうできないと最後の僕みたいになってしまう」と悔やんだ。何度も「ありえない」というフレーズを繰り返した。
それでもだ。トップで終えたデイは9番の第1打でOBを打ち、ジョンソンもティショットをクリークと池に1度ずつ入れた。どんな選手もミスなしで72ホールを終えることは、ありえない。「あしたは(スタートが)朝早いので調整する時間がないけど、何か違うことをやってみて、いい方向にいけばいい」と松山。苦々しい思いは、早いうちに吐き出せばいい。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)