FOXスポーツで放映される初めての全米オープン
米国Golf Digest誌 2015 全米オープン特集＜7＞
これまで1度しかゴルフ中継をしたことのないFOXスポーツは、チェンバーズベイ同様、未知といえる。プロデューサーのマーク・ルーミス氏はABCやESPNで多くのゴルフ中継の経験を積んできたが、ホストを務めるジョー・バックとグレッグ・ノーマンはルーキーであり、中継タワーに陣取るブラッド・ファクソンもまた同様だ。
スティーブ・フレッシュ、スコット・マッキャロン、ジュリ・インクスター、コーリー・ペイビン、シェイン・オドノヒュー、ホリー・サンダースはゴルフのコメンテーターを務めた経験はあるもの、この規模での経験は皆無である。
FOXはドローンカメラを使い、ヘリコプターよりはるかに低いアングルからの撮影や適切な距離を保った選手の追跡映像を挟み込むなど“新しい視点”の探究を約束している。
USGAはキャディにマイクをつけることには不快感を示したが、遠距離マイクにより、視聴者は選手とキャディの会話に聞き耳を立てることができるだろう。
最新3Dエフェクトによる鮮明な傾斜の再現も計画している。ルーミス氏は「グリーンを実物のように再現したい」と語る。3月に彼らは、球の弾道や転がり、簡易的なショットリンクデータ（飛距離、落下地点など）を表示するレーザー網を確立させた。
「多くの統計データが画面上を飛び回るなんていうことにはならない」とルーミスは話す。「ただし、適切な情報は提供する」。
サンダースの登場機会は多くなりそうだ。彼女は事前の特集番組を始め、コース上やラウンド後のインタビューを行うほか、夜のハイライト番組でも総合司会を担当する。
また、ノーマンによる、プレーヤーとして、また設計家として見たチェンバーズベイの分析も期待できる。ルーミス氏は「彼にそれを強要することはない」としながらも、「彼の今の立場を考えると、コースに対して両方の見方を持たざるを得ないだろう」と語った。