2014年 マスターズ

オーガスタも味方?首位スピース「最終日も同じ戦略」

2014/04/13 09:54
首位タイでマスターズ最終日に挑むスピース。新たな歴史を刻めるか(Andrew Redington/Getty Images)

今季米メジャー初戦「マスターズ」の3日目。4打差の3位から出た弱冠20歳で「マスターズ」初出場のジョーダン・スピースが、4バーディ2ボギーの「70」で回って通算5アンダーとし、バッバ・ワトソンと並んでリーダーボードの一番上まで駆け上がった。

タイガー・ウッズフィル・ミケルソンもいないオーガスタの週末。前年覇者のアダム・スコット(オーストラリア)と同組でプレーしたスピースは、スコットが「76」とスコアを落とす傍らで着実にスコアを伸ばし、オーガスタのパトロンとコースを味方に付けた。

1つスコアを伸ばして迎えた11~13番の「アーメンコーナー」。風が思わぬいたずらをすることもある難関の12番(パー3)で、ショートアイアンで放った第1打は、打った瞬間に向かい風が止み、肝を冷やした。「グリーンオーバーすると思って膝を折った。そして祈った」。言葉通りのアクションで見送ったボールがグリーンをしっかりと捉え、苦笑い。「キャディに拍手はしないでくれよ、と言ったんだ。ミスショットだと思ったから」。気まぐれな風に救われた。

続く13番(パー5)ではティショットを右の林へ曲げながらも幹と幹の間に通り道を見つけてレイアップし、目の肥えたパトロンたちから喝采を受けるパーセーブ。続く14番でバーディを奪うと、再びティショットを右に曲げた15番(パー5)でも確実なレイアップからバーディをもぎ取った。

ボギーを叩いた4番(パー3)は「あれはパー4」。11番も「同じだね(パー5計算)」。「だから、2つのボギーはパーのように感じられた」。初のオーガスタで「コースに対して尊敬の念を持っている」と話すスピースは、キャディに「行け!」と言われても、ピン位置を冷静に判断し、「ピンを狙いたいんだけど、このコースでそれはダメだ」と攻めの気持ちを抑えながらプレーしている。

「マスターズ」デビューから3ラウンド連続でアンダーパーを記録したのは、過去4人だけ。スピースが新たにその記録に名前を連ねた。「首位タイは理想的なポジションだと思うけど戦略は変えない。最終日も同じゲームプランで臨むつもりだ」。97年のタイガー・ウッズ(21歳)を上回る史上最年少優勝記録(20歳)へ、残りは18ホールとなった。(ジョージア州オーガスタ/今岡涼太)

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