実は風邪気味 世界一へ、スコットがベイヒルベスト「62」
フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開幕した米国男子ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」初日。世界ランク2位のアダム・スコット(オーストラリア)が2イーグルを含む「62」をマークして10アンダーの単独首位発進を決めた。
7アンダーの2位タイと絶好の滑り出しを見せた石川遼も「信じられない」と、驚くほかないスコアだった。出だしの10番で6メートルを沈めてバーディ発進を決めたスコットは、15番でグリーン奥からのチップインを含め、ショートゲームが好調。序盤6ホールで4バーディを決めた。
さらに16番(パー5)ではフェアウェイから残り198ヤードを2オンさせ、10メートル強をねじ込んでイーグル。そして後半アウトでは4番(パー5)でまたも2オンから6メートルのイーグルパットを決めるなど、5つスコアを伸ばした。「どういうわけか、パットがとにかく入った。今日はまさにホール(カップ)がバケツみたいに感じる日のひとつ」。23パットで叩きだした「62」はベイヒルでのベストスコア。1981年のアンディ・ビーン、そして84年に母国の偉大な先輩、グレッグ・ノーマンに並ぶ数字だった。
実は前日まで少しばかり風邪気味だったとか。「ここ数日は発熱に苦しんでいた。朝起きた時よりも今は良くなった」。コースに舞う花粉によりアレルギーを発症する選手も多い中「意外とゴルファーはこういう時にいいプレーができたりする。自分への期待も低くなって、ゆっくり考えたりね。僕は今日なんとかその都度、1打に集中しようと思ってプレーしたよ」
今大会を制すれば、4月の「マスターズ」ではタイガー・ウッズを抜いて世界ランク1位に立つ可能性がある。幼少時代から憧れた世界ナンバーワンの座へ、最高の滑り出しだ。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)