左手首は「普通に大丈夫」 怪物・松山英樹がブルーモンスター退治
世界選手権シリーズの「WGCキャデラック選手権」は6日(木)、フロリダ州のトランプナショナルドラールで開幕する。初出場の松山英樹は開幕前々日、前日をキム・ヒョンソン(韓国)と練習ラウンド。5日(水)はイン9ホールをチェックした。
前週、棄権の原因となった左手首の回復具合を示すには十分な最終調整だった。当地入りしてから毎日、前腕いっぱいに巻いていたテーピングはこの日、保護するエリアを大幅に縮小。持ち前の回転鋭いスイングも戻ってきた。「どう? 触ってみて。普通に大丈夫です」。ラウンド後にはこの日も2時間以上の練習で、汗を目いっぱい流した。
世界6大ツアーのトップ選手だけが集結するWGC。“ブルーモンスター”として知られる今大会の難関コースには日本の怪物も、もはや呆れ顔を見せている。
中でも最終18番が難所だ。左ドッグレッグで、ティグラウンドからグリーンまで左サイドはすべて池。同コースは昨年大会以降、新進気鋭のコース設計家ギル・ハンス氏の改造が施されたが「18番は前からチャレンジングな要素を兼ね備えていた」と、ほとんど手を加えなかった名物ホールでもある。
松山は「左が池でフェアウェイが15~20ヤードしかない。右のラフは深い。グリーンは右から池に傾斜している。打つところが無いです。弱音しか出てこない」と苦笑いばかり。今週も挑戦欲を最高にかきたてられる戦いが待っている。
今週が4月の「マスターズ」前の自身最終戦。メジャーの前に4週間空くスケジュールは米ツアーメンバーとしては珍しいケース。だが「1ヶ月空いて、ゴルフが崩れるようではいけない。別にね、“試合勘”とか気にしてないし」と改めてキッパリ。「(最後の試合だから気合が入る?)それも無いですね!」。全力を注げるのは、いつも目の前の1試合。モチベーションの高さは変わらない。(フロリダ州ドラール/桂川洋一)