2013年 全米プロゴルフ選手権

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米プロレポート2013<3>】

2013/08/08 10:06
ジム・フューリックと記念撮影!さあ、開幕です!

昨日の天気予報では今日は朝から雷雨の予報だったんです。せっかくのジム・フューリックとの練習ラウンドが無くなっちゃったら嫌だなって落ち込んでたんだけど、朝起きてカーテンを開け、晴れ間が見えた時は凄く嬉しかったです。

フューリックとは全米オープンと全英オープンの時にも一緒に練習ラウンドをやってもらったんですよ。だから今回で3度目。3度目だからって慣れることは全然無いけど、最初の時よりは少しは近付けたような気がするかな。

今までの練習ラウンドでもフューリックのストレートボールには驚かされてきました。でも今日のフューリックは、これまで以上に恐ろしいほど真っ直ぐだった。昨日の井戸木さんのショットも匹敵するけど、井戸木さんのは、ほんの僅かだけどフェード回転してるの。今日のフューリックは本当に真っ直ぐ。どこまでも、どこまでも真っ直ぐ。ドライバーはもちろん、アイアンもアプローチもぜーんぶ真っ直ぐ。

文章だけではこれが上手く皆様に伝わらないのが残念だけど、本当にフューリックのショットはゴルフゲームより真っ直ぐなんですから!だけどね、藤田さんはそんなフューリックとマッチプレーをやって、何と7番までで3アップしてたんです。最後の2ホールはフューリックに取られちゃったけど、結果1アップで藤田さんが見事に勝利。藤田さんの状態は、もう言わずとも理解して頂けるでしょ。真っ直ぐのボールしか打たないフューリックとマッチプレーをして勝ったんですから。

日曜日からずっとラウンドしているので、今日は9ホールだけで上がりました。フューリックも同じくハーフで上がりましたよ。コースの攻略ルートもほぼ頭に入ったし、藤田さんの状態も良い雰囲気。問題と言えば粘っこい洋芝からのアプローチだけだったけど、毎日いろんな打ち方を試し、最後に今日のフューリックのアプローチを見て、藤田さん自身が“これだ”と言う打ち方を手に入れる事が出来たみたい。全英の時のように今回も万全の体制で明日からの試合に臨めそうです。

この試合が終わると、しばらくはフューリックと練習する機会もなくなりそうだから、今日は頑張って出来るだけいろんな事を話しかけてみようって思ったんだ。といっても、僕の英会話は中学1年生レベル。ほとんど伝わらないし、ほとんど理解出来ない。でもね、だからと言って黙ってたんじゃ何にも始まらない。

僕だって外国人が一生懸命下手な日本語で話しかけてきたら何とか理解してあげようと努力するように、フューリックだって努力してくれるはず。だから聞いてみたんです。「ジムから見て藤田さんのスイングはどう思う?悪い点を教えて下さい」って。そうしたらフューリックは、「自分自身、スイングが変則的でフィーリングだけで球を打っているから、ビッケのスイングの悪いところは正直わかならい。でも、ビッケの打つ球筋が素晴らしいから、それは素晴らしいスイングだって事じゃないかな」。

こんな風に言ってるんじゃないかなって。僕の勝手な推測ですよ。でも多分、こういう感じの答えでした。

あとね、「今度もし日本に来たら、絶対に一緒に晩御飯を食べに行きましょう!」って言ったんです。じゃフューリックは、「もちろん行こう!僕は日本のヤキニクとシャブシャブが大好きなんだ」って。藤田さん、調子に乗って「お会計は全部藤田さんが払うから」って言ってしまいましたので、よろしくお願い致します・・・。

いよいよ明日から始まります「全米プロゴルフ選手権」。今年最後のメジャーなので頑張るのはもちろんだけど、この世界最高の舞台、最高の雰囲気を目一杯楽しみながら回ってきます。

2013年 全米プロゴルフ選手権