2013年 マスターズ

14歳グァン・ティンラン アマチュアトップの46位発進!

2013/04/12 11:49
大会最年少出場記録を樹立した14歳が、予選通過の年少記録も塗り替えるか?(Andrew Redington/Getty Images)

アジアの14歳が、目の肥えたパトロンたちのスタンディングオベーションを呼んだ。ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開幕した「マスターズ」初日。14歳でメジャー史上最年少出場を果たしたグァン・ティンラン(中国)が世界を驚かせた。出だしの1番をボギー発進としたものの「73」と耐え抜き、1オーバーの46位タイ。50位タイの予選通過圏内で2日目を迎えることになった。

ドライバーの平均飛距離は275ヤード。パーオンしたホールは半分に満たない8ホール。それでもグァンはパーセーブを続けながら、世界最高のプレーヤーたちに離されまいと食らいついた。最高の見せ場は18番。フェアウェイからの2打目をユーティリティでグリーン左に運ぶと、カラーから軽いスライスラインをパターで沈めてバーディフィニッシュ。白いキャップを天に掲げて、大歓声に応えてみせた。

初日を終え、6人の出場アマチュアの中でトップ。練習ラウンド、そして予選2日間をともにするメジャー2勝のベン・クレンショーは、ただただ賞賛した。「彼のプレーはベテランのようだった。自分自身のゴルフに徹し、自信を持っていた。突っ走ることなく、プロセスだけを追っていた。本当に忍耐強い」と最終ホールでは思わず拍手。

また、これまでのマスターズ最年少出場記録を保持していたマッテオ・マナッセロ(イタリア)も“後輩”のプレーに「彼はできることをやっていた。もちろん飛距離がないから、ボールを良いポジションにキープし続けなければならないけれど、それを上手くやっていたからね。パットもリカバリーも上手い。問題が起こらなければ、明日も同じようにプレーできるはず。素晴らしいポテンシャルだ」と話し、初出場の2010年大会で樹立した最年少予選通過記録の更新にも太鼓判を押した。

ホールアウト後、会見場に姿を見せたグァンは「1番ホールのティショットはちょっと緊張したけれど、素晴らしいショットが打てて、あとは気持ちよくプレーできました」と納得顔。父ハンワンさん、母ホンユさんも堂々とした愛息を前に「本当にびっくりです。ただ楽しんでもらいたいと思います」と満面の笑みを浮かべる。

広州の中学校に通う14歳はオーガスタナショナルのクラブハウスにある、アマチュア専用の宿泊部屋クロウズネストに、宿題を持ち込んでいる。初出場の今大会の目標は「とにかく楽しんでプレーすること」と繰り返すが、「メジャーで勝ちたい。できれば1年で4大会を勝ちたい!」と将来の目標は年間グランドスラム。「マスターズで勝てる?」そんな質問にも「たぶん今年は無理。でもいつかきっと勝てると思います」と淡々と語る姿が、インタビュールームの場を大いに沸かせていた。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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