羽川豊の全米オープン生レポート/タイガーが“見事”な予選落ち!最大のポイントは4番の3パット
全米オープン2日目
歴史的なラウンドを目撃しました。プロ入り後はもちろん、アマチュア時代も含めて39試合、10年間に渡りメジャーでの予選通過をしてきたタイガー・ウッズが、その記録をストップさせました。大会前、準備はできていると言っていたタイガーですが、目には見えない部分が仕上がっていなかったようです。練習場では調子が悪いように見えませんでしたが、コースに出るとドライバーショットが左に曲がっていました。アドレスで構えた肩のラインから10ヤード以上左に曲げる場面もありましたね。その影響でアイアンショットも乱れ、パッティングもリズムがつかめなかったようです。
予選落ちの最大のポイントは4番ホールの3パットでしょう。インコースからスタートしたタイガーは、18番から3番までピンチを凌ぎ、4番ではこの日3度目のフェアウェイキープをしました。2打目をピンそばにつけたかったのですが、アイアンショットはこすり球でグリーン右端にオン。10メートル級のバーディパットでしたが、これを1ピン以上オーバーしてしまいました。今までのタイガーには決してなかった大きなパッティングのミスです。さらに返しのパーパットを外しボギーになったのですが、もしここでバーディを取っていれば・・・。
日本勢ですが、正直予想通りの結果です。片山晋呉くんなど決して他の選手より劣っているわけではありません。このようなコースセッティングに慣れていないだけなんです。日本にはない芝、傾斜などに、経験が少ないため対応ができていないだけなんです。今回唯一予選を通過した今田竜二くんは、長年米国でゴルフをしているので、他の日本選手よりも慣れていたのです。
タイガーが姿を消し、日本勢も今田くんしか残っていないので少し寂しい気もしますが、上位ではフィル・ミケルソンやジム・フューリックなど実力ある選手が残っています。残り2日間、まだまだ我慢比べは続きますが、最後までフェアウェイキープに徹した選手が勝利を収めるでしょう。明日は最終組を中心にチェックしてみます。
羽川豊(はがわ ゆたか)
セントラルスポーツ所属。栃木県出身。専修大学時代に朝日杯全日本学生選手権4連覇。ツアー通算5勝。1982年「マスターズ」15位タイなど。現在はゴルフトーナメン トの解説や自身のゴルフサロン「HAGAWA YUTAKA GOLF SALON」でレッスンを行っている。