【石川遼専属キャディ・加藤大幸のマスターズレポート〈3〉】
悔しい初日になりました。まずはショットの調子が本当に悪かったです。
振り返ってみると、少し“よそ行き”のゴルフをしてしまったところもあるかもしれません。一昨年は予選落ちをしていたので、去年はまず予選を通ろうとして、まずまず良いところ(20位タイ)まで行くことができました。でも今日に関して言えば「頑張ろう、頑張ろう」と力が入りすぎて、緊張感が悪い方に出てしまいました。
ポイントはいくつかあります。ボギーをたたいた1番は(前週)土曜日から水曜日までの練習ラウンドで、ティショットでフェアウェイを一回も外していなかったんです。でもゴルフでは、逆にそれが突然悪いイメージを生むことがあるんです。パッと構えたときに「あれ、このホール、こんな景色だったか?」、「ここ、フェアウェイ以外に行ったこと無いよな?」と…。実際に遼は体が動かなくなって、ボールは左に行ってしまいました。
2連続ボギーをたたいた後は、難しい4番、5番、7番も上手く攻められました。集中力を切らさずに後半はプレーできていました。もしかしたら、イーブンくらいまで戻せるかも…と思っていました。
けれど(ティショットをクリークに入れた)12番も、今まで一度も池に入れたことは無かったんです。いいイメージだけしかなく、それが難しいほうに転がってしまいました。遼は今日、去年僕が使っていたコースメモを持ってラウンドしていたんです。急に去年のイメージがわいて、体が止まってしまったのかもしれません。
また、あのホールはダレン・クラーク選手がオナーで、まずピンそばにつけました。次に打った遼が持つクラブは8番アイアンしかないのですが、クラーク選手はスイングがすごくゆったりしているので、『もしかして大きいかもしれない』と手元が緩んでしまったかもしれません。
もちろん良いショットもありました。13番(パー5)は去年の3日目以来、ドライバーでティショットを打ちました。フェアウェイをとらえて、2オンしたショットも良かった。そういう意味ではここから攻めていこうという気持ちでした。ただやはり、勝負どころでのパット。今日の4オーバーは、やはりパッティングが悪かったことに尽きます。しっかりと入れていれば、1オーバー、イーブンパーのゴルフだったと思います。
今日はこれ以上ない、というくらい状態が悪かったです。明日はこれ以上悪くなることはまず無いはず。もっと攻めていっても“大ケガ”ないはずです。