T.ウッズ「彼の創造力は超えられない」/セベの死を悼むトッププレーヤーたち
脳腫瘍のため闘病生活を送っていたセベ・バレステロスが7日(土)、スペインの自宅で逝去した。54歳だった。メジャー通算5勝、世界各国で通算80勝以上という偉大な数字だけにとどまらず、その独創的なプレースタイルとカリスマ性を持った1人のゴルファーの死を悼み、各国の名選手が悲しみの言葉を紡いだ。
タイガー・ウッズ(米国)
「セベ・バレステロス氏の訃報を聞き、深く悲しんでいます。毎年、一緒に過ごすマスターズの前のチャンピオンズディナーが本当に楽しかった。セベはこれまでのゴルファーで最も才能にあふれ、エキサイティングな選手の一人でした。コースでの彼の創造性、創意工夫の才が今後、超えられることはもう無いかもしれません。あまりにも早すぎる死です」
フィル・ミケルソン(米国)
「1988年のサンディエゴ、米国PGAツアーの試合に初めて出場した時、一緒に練習ラウンドをしました。彼はたくさんのショットを見せてくれた。知り合ってから23年間、素晴らしい関係を築いてきた。僕にとって、セベの最も偉大だった点はそのセンスとカリスマ性でした。彼がプレーすれば、たちまちそこは彼の色に染まってしまう。みんなが彼のプレーを見に行ったんだ」
ニック・プライス(ジンバブエ)
「彼が欧州のゴルフ界に対して行ったことは、タイガー・ウッズが世界のゴルフ界に対して行ったことと同じだ。セベなしでは今日の欧州ツアーは無かっただろう。いつも言ってきたことなんだけれど、我々が『65』のスコアを出すためには、30~40通りのゴルフがあるだろう。けれど彼には、そこに至るまでに10000通りのゴルフがあった。フェアウェイからミスしても、5回チップインして、2回バンカーから入れてしまう。グリーン周りではいつも創造的だった。木があろうが、バンカーだろうが、彼にとっては関係なく“寄せワン”を取ってきた…」
アーニー・エルス(南アフリカ)
「ゴルフ界にとって、今日は本当に悲しい一日だ。セベはゴルフの象徴というべき人物だったし、長い間、欧州のゴルフ界の旗振り役だった。彼は世界で、もちろん米国でも、勝つことによって、欧州の選手たちにたくさんのドアを開けた。彼なしでは欧州ツアーの今日はありえない。セベは僕のヒーローで、たくさんのことを真似したんだ。彼と何度もプレーできたことは本当に幸運だった」
リー・ウェストウッド(イングランド)
「彼はカリスマ性にあふれていました。いわゆる“オーラ”にね。セベはすべてをゴルフに捧げ、この時代に欧州ツアーにいてくれたことが本当に大きかった。彼なしで、僕たちが今日、こうやって世界でプレーすることは無かっただろう。ゴルフ界は一人の天才を失った」
セルヒオ・ガルシア(スペイン)
「本当に悲しい一日です。私たちみんながセベの家族のことを想っています。彼は今まで長い間、戦ってきた。おそらく安らかに休んでいることでしょう。彼は特別でした。本当に驚くべき選手で、驚くべき人物だった。彼の持つカリスマ性、彼のプレースタイルや身のこなし方、それを見ること自体が素晴らしいことでした」
ビジェイ・シン(フィジー)
「彼はコースの上だけでなく、コースの外でも素晴らしい男だった。ゴルフを通じて彼を知った人々だけでなく、すべての人が深い悲しみの中にある。大きな損失であり、本当に残念だ。彼は亡くなった。けれどきっと、彼の思い出は永遠に生き続けるはずさ」