松山英樹と中島啓太が「パリ五輪」へ 3年間の“選考レース”を振り返り
◇メジャー第3戦◇全米オープン 最終日(16日)◇パインハーストリゾート&CC パインハースト No.2(ノースカロライナ州)◇7548ヤード(パー70)
8月1日に開幕する「パリ五輪」男子ゴルフの各国代表レースが今大会で終了し、17日時点の世界ランキングをもとにした五輪ランキングで松山英樹と中島啓太が日本勢の上位2人に入り、五輪出場権を獲得した。これまでの日本代表争いの推移を振り返る。
■銅かけた7人プレーオフ敗退
コロナ禍で1年延期されて迎えた2021年「東京五輪」は同年4月の「マスターズ」を制した松山が母国開催で大きな期待を背負い、銅メダルをかけた7人のプレーオフを戦った。金谷拓実との争いを制して代表入りした星野陸也は大会初日の第1打を放ち、38位だった。
■日本で豪州で初V迫って躍進
代表争いにつながる直近2年の期間に入った22年に大きくランキングを上げたのが久常涼。9月の日本ツアーで2週連続4位となって初のトップ200入りを果たすと、11月の欧州ツアー「オーストラリアPGA選手権」で2位に食い込んで躍進の足掛かりを築いた。
■オマーンで待望の海外ツアーV
23年2月、アジアンツアー「インターナショナルシリーズ オマーン」で金谷が海外初優勝。ホアキン・ニーマン(チリ)らを抑えてつかんだタイトルによって、169位に落としていた世界ランクを119位へ押し上げた。2番手・星野(116位)との差も一気に縮まった。
■プロ初タイトルから破竹の勢い
23年6月、日本ツアー「ASO飯塚チャレンジド」で中島啓太がプロ初優勝。2週連続2位から金谷との壮絶なバーディ合戦を制し、翌週も2位と好成績を連発。この4試合だけで284位→156位となった世界ランクは、賞金王に輝いた同年末で88位まで上がった。
■五輪コース制し2番手急浮上
23年9月、久常が五輪開催コースのル・ゴルフナショナルで行われた「カズーオープンdeフランス」を制覇。青木功、松山に続く日本勢3人目の欧州ツアー制覇を成し遂げ、161位から101位にジャンプアップ。日本勢2番手に急浮上して代表候補に名乗りを上げた。
■惜敗重ねて欧州V 2番手に
24年2月、星野が「カタールマスターズ」で優勝。前年11月末に始まった新シーズンで2試合連続2位スタートと予感を漂わせていた欧州ツアーVを達成。107位→75位となった世界ランクも久常を抜いて2番手に浮上。五輪2大会連続出場を視界に捉えた。
■2年ぶり9勝目で再び独走へ
星野が優勝した翌週、松山がPGAツアー「ザ・ジェネシス招待」で2年ぶりのタイトルを獲得。アジア勢の最多ツアー9勝目で55位に落としていた世界ランクは20位に。国内外で活躍を重ねていた“後輩”たちを大きく突き放し、1番手の座を再び揺るぎないものとした。
■初年度で初優勝 盟友も同日V
3月、欧州に主戦場を移した中島が「ヒーローインディアンオープン」で優勝。日本ツアー「東建ホームメイトカップ」を制した盟友の金谷と同じ日にカップを掲げ、111位から78位に上げた世界ランクでも2番手に。ナショナルチーム時代に続く「日の丸」に近づいた。
■休養からラストチャンス復帰も
5月、星野が肺から空気が漏れる「気胸」により休養を発表。2月の優勝時点で2番手だった世界ランキングは離脱中に4番手まで下がり、3カ月近いブランクを挟んで2年ぶりの「全米オープン」で復帰を果たした。予選落ちで大逆転はならず、東京に続く切符を逃した。