2023年 全英オープン

ホールアウトは午後9時42分 リンクスの長い一日/いまさら聞けない全英オープン(4)

2023/07/21 08:15

◇メジャー最終戦◇全英オープン 初日(20日)◇ロイヤルリバプール(イングランド)◇7383yd(パー71)

男子ゴルフの世界最高峰といえるメジャートーナメントの2023年最終戦が開幕しました。「全英オープン」は4つのメジャーで唯一、米国でなく英国で行われる試合。いまさら他人に聞けないポイントをおさらいします。

早朝から長い一日が始まる

ゴルファーならゴルフ場に「アウト」と「イン」があるのをご存じでしょう。アウトコースは1番~9番までの9ホール、対して10番~18番の9ホールをインコースと呼びます。

これは全英オープンの会場であるリンクスコースが由来。海岸線や河岸に造られたゴルフ場で、プレーヤーが1番ホールから出て水辺に沿ってプレーを進めていき(Going OUT)、10番で折り返して18番で帰ってくる(Coming IN)ことから名付けられました。

日没が遅いため時間の感覚がおかしくなりそう

日本をはじめ、現在の多くのゴルフ場では1番と10番がクラブハウスの近くにあり、どちらのティからもラウンドを始められる(9番または18番でホールアウトできる)のが一般的。ただし、伝統的なリンクスの形状のコースではそうはいきません。10番が遠いため、全員が1番から出て18番でホールアウトします。

この伝統を守り続けているのが全英オープン。予選ラウンドの出場者156人が1番からティオフすると、どうなるでしょうか…? 選手一人ひとりのプレー時間は変わりませんが、全体の試合時間が長くなります。きょう初日の第1組スタートは午前6時35分。彼らが練習を始めるのは5時台です。そして最後の組は午後4時16分のティオフで、ホールアウトは同9時42分。英国の日の長さも奏功し、日没サスペンデッドも免れました(日没は同9時27分)。

日が出ている限りプレーは延々と続く

全英オープンには、朝から晩まで1番ティイングエリアでスタート選手を紹介し続ける「スターター」というスタッフがいます。2015年まで41年間にわたって勤め上げたアイバー・ロブソン氏は朝食をとってから、その日最後の選手がプレーを開始するまで、飲まず食わず、イスに腰を下ろすこともありませんでした。

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