ミケルソン「65」の大まくり “帝王”に次ぐメジャー12度目2位
◇メジャー第1戦◇マスターズ 最終日(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7545yd(パー72)
フィル・ミケルソンはクラブハウスリーダーとして、最終組ジョン・ラーム(スペイン)のマスターズ初優勝を見届けた。現在はミケルソンのキャディを務める弟のティムさんは、かつてラームの母校・アリゾナ州立大でコーチを務めていた縁もある。「彼は一週間を通して信じられないようなゴルフをした。とても価値のあるチャンピオンだ」と祝福した。
第3ラウンド「75」で20位に後退して迎えた最終ラウンド。同じく歴代優勝者のジョーダン・スピースとともに、かつてのようにオーガスタを沸かせた。特にサンデーバックナインは圧巻だった。アーメンコーナーの12番(パー3)から2連続バーディでチャージを開始すると、パー5の15番も獲って3個目。17番は7Iの2打目がカップをかすめ、18番も3m強を流し込んで上がり2連続バーディ。カップインの前から確信たっぷりにパターを掲げ、力強くこぶしを突き出すガッツポーズは優勝シーンをほうふつとさせた。
フィールド平均「73」とオーバーパーを記録した最終ラウンドでベストスコア「65」をマーク。ラームに4打差をつけられたものの、オーガスタで2位に入るのは2015年以来8年ぶりだ。「またこのレベルでプレーできたことは本当に楽しかったし、この先も励みになる」とうなずいた。
昨年大会は自らの意思で出場を見送った。その後移籍することになる新リーグ「LIVゴルフ」に対して構想段階で支持する考えを示し、PGAツアーを猛烈に批判。陳謝してツアーから離れたものの、絶大な人気を誇ったビッグレフティのイメージには大きく傷がついた。
「これが回復の一歩になる?」との問いかけには「それとこれとは別々の問題」と冷静に返し、持論も述べた。「この大会は、どのツアーでプレーするかということではない。世界中のさまざまなツアーから最高の選手を集めて対戦する、それがゴルフというゲームのあるべき姿なのです。このような歴史的なイベントは存在するべきですが、ゴルフのゲームには少し違った、多様なものがあってもいいのではないでしょうか」
メジャーで2位に入るのは、これが12回目。歴代最多19回のジャック・ニクラスに次ぐ歴代2位の数字となった。21年にメジャー最年長優勝記録を打ち立て、昨年はディフェンディングチャンピオンとして異例の欠場を決めた5月「全米プロ」への出場も明言。再び注目の一戦になる。(ジョージア州オーガスタ/亀山泰宏)