2007年米国男子ツアープレビュー 新システムの導入により、よりエキサイティングな展開に
2007年USPGAツアーは「FedExカップ」というプレーオフ制度を導入。大改革の年として注目が集まっている。歴史的に考えると「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」、「全米プロゴルフ選手権」の4大メジャーが一番の名誉と誇りとなるが、FedExカップ優勝者には、1000万ドル(約11億8000万円)という驚くような高額ボーナス賞金を含む総額3500万ドルが用意されている。9月中旬まで、熱い戦いが毎週続くと予想されているのだ。
まず、ハワイで開幕する「メルセデスベンツ選手権」から8月中旬の「ウィンダム選手権」までの36試合で獲得したポイント数で、FedExカッププレーオフに出場可能となる144名が決定する。プレーオフとなる4試合ではポイントが一度リセットされ、順位ごとのシードポイントが改めて割り当てられる。ニューヨーク開催のプレーオフ1戦目「バークレイズクラシック」では144名から120名に絞られ、ボストン開催となる2戦目の「ドイツバンクUS選手権」の結果でさらに50名が振り落とされる。その後、プレーオフ3戦目シカゴ開催の「BMW選手権」が70名で争われ、上位30名がアトランタ開催の最終戦「ザ・ツアー選手権 presented by コカコーラ」に進出。勝者がシーズンチャンピオンとなる。
タイガー・ウッズは、7月の「全英オープン」からの出場試合における優勝記録を6に伸ばしており、ツアー記録となるバイロン・ネルソンの11連勝に挑むことになる。2006年シーズンは全英オープン、全米プロを制覇し、メジャー優勝を「12」としたタイガー。2007年シーズンは、ジャック・二クラスの「18」にどこまで近づくことができるかに期待がかかる。
日本人選手は、丸山茂樹、今田竜二、丸山大輔の3名が参戦する。8年目を迎える丸山茂樹は、 7年目の昨年は115万ドル(1億3500万円)を獲得して79位のランキング。世界ランキングを下げたことで全米オープンや全英オープンに参加できなかったが、2007年はリベンジの年にして欲しい。今田は下部ツアーから昇格して3年目。全米オープンでは2年連続で健闘を見せたが、安定したコンスタントなゴルフができるかが課題だろう。丸山大輔は、昨年ツアールーキーながら限られたチャンスを生かしてシード権を確保した。フェアウエーキープ率上位(15位)のデータが表すように、正確性の高いショットでトップ10フィニッシュを増やし、ワンチャンスをいかせるかどうか。昨年のベストフィニッシュは「ジ・インターナショナル」の3位タイがある。
ツアーは、FedExカップ終了後も翌年のシード権確保のためにマネーレースは続く。残り7試合を含む全47試合が賞金ランキング対象試合となる。9月にはアメリカ対世界連合(欧州を除く)の対抗試合、「プレジデントカップ」がカナダで開催となる。日本人選手は2000年の丸山茂樹以来参加していないので、年末の世界ランキング24位につけている片山晋呉に期待がかかる。