フラッグに涙のキス…フィッツパトリックがベテランキャディに捧げたメジャーV
2022/06/20 11:01
◇メジャー第3戦◇全米オープン 最終日(19日)◇ザ・カントリークラブ(マサチューセッツ州)◇7264yd(パー70)
マシュー・フィッツパトリック(イングランド)が、ここで優勝カップを掲げるのは9年ぶりだ。2013年に本コースで行われた「全米アマ」に加え、「全米オープン」タイトルを獲得。「信じられない。ありきたりな表現だけど、夢に見た光景」と喜んだ。
我慢の展開が続いた4日間は、「長い一週間だった」と振り返る。最後まで接戦だった最終日、勝利を引き寄せたのは15番。ティショットを大きく右に曲げてギャラリーの中に打ち込んだが、残り220yの2打目でグリーンをとらえた。「18フィート(5.5m)を入れて、あれでアドバンテージができた」と通算5アンダーでトップに抜け出して、逃げ切った。
アマチュアからの“全米”2冠、米ツアー初優勝を達成したメジャータイトル。それだけでもこれ以上ない価値を持つが、もうひとつ喜ばしいのは、相棒にメジャー初優勝をプレゼントできたこと。「ビリーにとっても、これがどれだけ意味のあることなのか、言葉では言い表せない」
2018年から組んでいるキャディのビリー・フォスター氏は、キャリア40年以上のベテランキャディ。これまでセベ・バレステロス、タイガー・ウッズのバッグを担いできたが、メジャー優勝には立ち会えなかった。
フィッツパトリックの優勝が決まると、涙ながらに「US OPEN」のフラッグにキスをする。「ビリーからは、今やっていることを続けていれば、いずれ“その時”が来ると言われていた」(フィッツパトリック)。2020年にツアー参戦したばかりの新鋭とベテランキャディが、“その時”を固く抱き合って喜んだ。(マサチューセッツ州ブルックライン/谷口愛純)