「ショートゲームがすごい」「ノーマンに似ている」…マスターズ王者らのシェフラー評
◇メジャー第1戦◇マスターズ 3日目(9日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)
2週前の「WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー」を制して世界ランキング1位に上り詰めたスコッティ・シェフラーは、後続に3打差をつけて最終日を迎える。今年に入り、マスターズ前までに7戦3勝と驚異的な勢いを見せてきた25歳。初めてのメジャー優勝がかかる。
吹き荒れる風に翻弄(ほんろう)され、ムービングデーながらスコアを伸ばしたのは52選手中9人のみ。1アンダー「71」で回ってトップを堅守したシェフラーを、大会2勝のバッバ・ワトソンは「私がすごいと思うのは、彼のショートゲーム」と言った。
この日シェフラーがグリーン上で打ったパット数は「27」で、3日間の平均も全体1位の「1.52」をマークしている。「グリーンを外しても起き上がり、2、3mのパットを決めてくる」
ワトソンのオーガスタ制覇を支えたテッド・スコット氏がシェフラーのバッグを担いでいるとあって、「テディはこの場所には慣れているだろうし(シェフラーを)落ち着かせられる。だから勝てるという意味ではないが、彼にとってテディは大きな助けになるはず」。長年支えてくれた元相棒について「テディは自信を与えてくれる。クラブ選択、ヤーデージ、風に自信があって、たとえうそをつかれていても自信があるように聞こえれば自ずと自信をもらえる」と語る。
シェフラーに世界1位の座を奪われたジョン・ラーム(スペイン)は「右脚をスライドさせる動きが、グレッグ・ノーマンの脚さばきと似ている」と、そのスイングを分析する。「誰かのスイングで珍しいものを指摘するのはみんな好きだと思うけど、明らかにクラブのフェースへの動きを助けている。少し奇妙に見えるけど、左脚はしっかり固定されているし、体はスムーズに動かせている」
ただ、同じようにスイングができるように教えられるかと聞かれると答えは「NO」。「マシュー・ウルフのスイングも教えようがないように、やろうと思えば自分を傷つけることになる。ノーマンとシェフラーという偉大なショットメーカーに共通点があるのは偶然ではなく、機能的な理由があるはずだ」と指摘した。