2022年 マスターズ

公式会見、アマチュアディナー 初出場の中島啓太は先輩とチームの力を信じる

2022/04/05 08:14
中島啓太が挑む夢の舞台

◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報(4日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7510yd(パー72)

ずっと楽しみにしてきたアーメンコーナーの12番(パー3)。開幕3日前、中島啓太のティショットはきょうもグリーン手前のクリークに消えた。前週開始した練習ラウンドで「たぶんもう5回目くらい」水に落としている。「(小川が手前から奥に流れる)右に打ってはいけないと分かっていても反応してしまうというか…」。初めてのオーガスタはやはり手ごわい。

「アジアパシフィックアマ」王者として出席した公式会見は、日本語で「テレビで観ていた夢の舞台。ここに立っていることに実感はまだないが、たくさんのファンのなかでプレーすることができるのは幸せ」と丁寧に言葉を並べた。「英語で挑戦したかったのが本音。頭がパンパンでまったく入ってこなくて、通訳をお願いしました」という悔しさもある。夜には出場アマチュアがそろうディナーにも出席し、大会が築いてきた伝統の一部になる。

パトロンが見守るなかで練習ラウンド

トーナメントウイークに入り、場内はパトロンがロープの両サイドを埋め尽くすようになった。金谷拓実と午前9時過ぎに1番からティオフし、10番からは前年王者の松山英樹も加わって、周囲はより賑やかに。「酔っちゃうような感じもあった」と21歳は明かす。ミスショットを誰かにぶつけないだろうか。「怖いです、正直。きょうは4回くらい松山さんに『フォアー』と言ってもらった」

視界が大きく開かれているようで、狙いどころが極端に狭い18ホール。「毎ショット、完ぺきなスイングをして、良いショットを打たないといけない。切り替えが難しい。大会の雰囲気に惑わされないように、自分に向き合うことですごく疲れてしまう」と息を吐いた。

中島啓太が力を尽くす

臆することはない。世界アマチュアランキング1位には頼もしい先輩と仲間がいる。かつて同じようにアマチュアとして出場した2人の言葉は十分な力になる。「グリーンの見えない傾斜を金谷さんに教えてもらいました。松山さんには『いきなりコースコンディションが変わるから気を付けて』と」

前週からジョージア州で練習を重ね、トレーナー、マネジャー、そしてコーチのガレス・ジョーンズ氏がチームに加わった。コロナ禍で約2年ぶりに再会し、これまでオンライン上では伝わり切らなかった部分への修正にも力を尽くしている。「やってきた準備はルーティンを変えずにできていると思う。チームが久しぶりにそろった。皆を信じて最後まで頑張りたい」。頼れる仲間のサポートをみなぎる力に変える。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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