2戦続けて同じ最終日最終組 14年ぶり珍事に期すウェストウッドのリベンジ
◇米国男子◇プレーヤーズ選手権 3日目(13日)◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7189yd(パー72)
“第5のメジャー”の名場面として欠くことができないのが、2001年大会の3日目、タイガー・ウッズが17番(パー3)で沈めたスネークラインのバーディパット。アナウンサーが叫んだ「Better than most!!」の実況ワードは今も語り継がれている。ちょうど20年を迎えた今大会のムービングデー、同ホールのカップ位置はフロントエッジから6yd、左からも6yd。あの日と同じだった。
The golf world celebrates the 20th anniversary of Tiger Woods' 'Better Than Most' putt. 🐅https://t.co/O5zI7t4tZM
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2021年3月14日
「旗には当たるな、旗だけには」。リー・ウェストウッド(イングランド)は第1打の完璧さに思わずそう口にした。17番、たしかにこの日の早い時間帯にはダスティン・ジョンソンの一打がピンに弾かれ、池へ。願いの通じたボールはピンの奥へ着弾。だが、意外にもボールは下り傾斜を戻ってこなかった。
残った7mのバーディパット。47歳はカップ左縁のおよそ1.5m左にラインを取った。「思い通りのライン、思い通りのスピード」で打った瞬間、同組のマシュー・フィッツパトリック(イングランド)が「これは入った」とつぶやく。球が消え、人が叫ぶ。「入ったのはボーナスで最高の瞬間だった。17番グリーンはいつもこれ以上ない雰囲気になる」と拳で堂々と声援に応えた。
通算13アンダーとし「アーノルド・パーマー招待」に続いて、3日目を終えて単独首位に立った。2ストローク後ろに前週逆転負けを喫した相手ブライソン・デシャンボーがいる。
ストローク戦で、2試合続けて最終日最終組が同じ2サムになるのは2006年最終戦「ツアー選手権」と翌07年の開幕戦「トーナメントオブチャンピオンズ」以来(記録の残る03年以降)。当時はアダム・スコット(オーストラリア)とビジェイ・シン(フィジー)が再戦したが、2週連続どころか年をまたいでいた。
ウェストウッドはTPCソーグラスを「確かに前週のコースとは同じようにプレーできない。ブライソンに聞けば(パーマー招待の)ベイヒルのほうが彼に合っていると答えるだろう。ここよりも少し肩の力を抜けるから」と言いつつ、「でも、彼はどんなコースにも適応してきた」と20歳年下の飛ばし屋をたたえた。
「とにかく楽しみ」とバトルが待ち遠しい。「僕に有利な点はない。2打のアドバンテージがあるだけだ。それにこれは2人の争いじゃない。このコースは先頭を走るのが本当に難しいコースなんだ」。3位以下に控えるたくさんの後輩たちにも目を光らせた。(フロリダ州ポンテベドラビーチ/桂川洋一)