ちょっとマニアックな 「全米プロゴルフ選手権」 サイドストーリー
アメリカ・オクラホマ州に位置する、メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」の開催コース、サザンヒルズCC。2004年の「全英オープン」チャンピオン、トッド・ハミルトンはオクラホマ大学出身。ハミルトンにとって第二の故郷でのメジャー参戦となる。
トッド・ハミルトン
「私は2001年の“全米オープン”は当時住んでいた日本で見ました。今年はあのときほど難しくはならないはずです。猛暑対策でグリーンはソフトになっていますからね。9番と18番のグリーンも今年は、前回よりフラットになっていますから、6年前のように苦労することはないでしょう。“OU”と刺繍された赤い帽子を見るのは、いつでも嬉しいものです。私は大学時代の4年間をオクラホマ州で過ごしたので、ここは第二の故郷です。」
また、ここはオクラホマ・ステート大学に通った選手にとっても第二の故郷。オクラホマ大のスクールカラーが赤なら、オクラホマ・ステート大はオレンジ色。ライバル争いはPGAツアーでも続いている。
ハンター・メイハン
「PGAツアーに移ってからは激しいライバル争いなんてないですよ。あったとしてもたわいのないもので、大学時代のようにライバル意識むき出しなんてことはありません。」
チャールズ・ハウエルIIIはオクラホマ・ステート大学出身。2001年、サザンヒルズでの“全米オープン”が、ハウエルにとってはじめてのメジャーだった。コースを知っていることはライバル争いでも有利となる。
チャールズ・ハウエルIII
「プロのスポーツに移ってからも、オクラホマ大学とオクラホマ・ステート大学、ファンは分かれるようですね。あちこちでオレンジ色を見かけますが、赤い色もかなり目に付きます。」
ハウエルの大学時代のプレー仲間がボー・バン・ペルト。2人は毎週火曜日に一緒に練習ラウンドを行った。今週バン・ペルトは控えの選手だったためだが、無事出場を果たしている。
ボー・バン・ペルト
「2006年は長男の誕生でこの大会を棄権したんですが、今年はカール・ペターソンが子供の誕生のために棄権して私が出場となりました。」
バン・ペルトはサザンヒルズからわずか15分の場所に住んでおり、長男の1歳の誕生日を自宅で祝えることになった。
ボー・バン・ペルト
「プロ転向後、自宅から通えるトーナメントはこれが初めてなので、今週は家族や友人が応援に来てくれることになっています。」
テッド・パーディもぎりぎりで出場が決まった一人。幸いパーディは飛行機に乗らずにすむ距離から、コースに駆けつけた。
テッド・パーディ
「私は金曜日に控えの6番目だったのですが、今朝8時に電話がありました。ベルンハルト・ランガーが棄権し、私が出られることになったと言われました。」
ボー・バン・ペルトとテッド・パーディは、91年のジョン・デーリーを思い出したことだろう。デーリーは91年、クルックド・スティックでの「全米プロゴルフ選手権」に控えの9番目として出場し、見事に優勝。その年デーリーは、子供の誕生を理由に棄権したニック・プライスにかわって出場していた。ボー・バン・ペルトはデーリーと同じシナリオを期待しているに違いない。