2016年 全英リコー女子オープン

絶好調の20歳 A.ジュタヌガンは一気に金メダル候補

2016/08/01 11:39
失意の逆転負けを経て初のメジャー優勝を飾ったアリヤ・ジュタヌガン

海外女子メジャー「全英リコー女子オープン」を制したのは、アリヤ・ジュタヌガン(タイ)。後続に2打差の16アンダー単独首位から出ると、3バーディ、1ボギー1ダブルボギー「72」でリードを守り抜き、今季4勝目を挙げた。絶好調をキープして迎えるリオデジャネイロ五輪は「待ちきれない」と、胸を躍らせている。

漂っていた圧勝ムードは、瞬く間に消えた。6番までに2バーディを奪い、後続に5打差をつけた。だが、同じ最終組のイ・ミリム(韓国)が後半10番から3連続バーディを奪うと、流れは変わった。勢いに飲み込まれるかのように13番でダブルボギーをたたいた。一気に1打差まで詰められた。

苦い記憶が蘇った。今年4月のメジャー「ANAインスピレーション」では、2打のリードで17番にいた。優勝は目前に迫ったが、最終18番でティショットを池に入れ、自滅。リディア・コー(ニュージーランド)にタイトルを奪われた。「終わった後はすごく気落ちしていた」

だが、今のジュタヌガンは違う。5月の「ヨコハマタイヤLPGAクラシック」でツアー初優勝を飾ると、そこから3連勝。メンタルの弱さを露呈していた過去の自分とは決別した。

その堂々さには、予選ラウンドを同組でプレーした上田桃子も驚愕。「今まで見た中で一番かも。飛距離は出るし、精度もいい。しかも何より、自信を持ってパットを打っている」と目を丸くした。

この日は、17番で約5mのスライスラインをねじ込んだ。メジャー制覇は「プロになったときからの夢だった」と、執念で粘る後続を突き放した。世界ランクは6位から3位に上がる見込みとなった。紛れもない五輪の金メダル候補。「楽しみですよ。待ちきれない」。20歳はウズウズしている。(イングランド・ウォーバーン/林洋平)

2016年 全英リコー女子オープン