畑岡奈紗「ずっと優勝を目標に」悲願へティオフ/メジャー戦歴アラカルト
◇メジャー第1戦◇AIG女子オープン(全英女子オープン) 事前◇ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)◇6649yd(パー71)
世界ランキング5位の畑岡奈紗は今季初、キャリア通算12度目のメジャー挑戦を前に「ずっとメジャーの優勝を目標にやっている」と意気込んだ。世界での活躍を誓い2016年のプロ転向後に渡米。19年に同世代の渋野日向子に先を越されたが、世界のトップグループの一員であり続けている。前週は苦手としてきたリンクスコースで12位の成績。悲願に挑む21歳のメジャー大会のこれまでを振り返る。
2017年 初めてのメジャーは惨敗 宮里藍さんと練習ラウンド
イリノイ州のオリンピアフィールズCCで開催された「KPMG女子PGA選手権」がキャリア初のメジャーになった。開幕前週にツアーの賞金ランキングによる資格で出場を得ると、開幕前に同年限りでの現役引退を表明してから最初のメジャーを迎えた宮里藍さんと練習ラウンドをともにした。結果を出し切れなかったプロ1年目は通算8オーバー123位で予選落ち。同年はこれが唯一のメジャー出場になった。
2018年 9打差追いつくプレーオフ 悲願へあと一歩に迫った
開花した爆発力でメジャー制覇にあと一歩へと迫った。4月の「ANAインスピレーション」は初出場で48位、6月の「全米女子オープン」は10位で終えた。
ハイライトは「NW アーカンソー選手権」で米ツアー初優勝を挙げた翌週、イリノイ州ケンパーレイクGCでの「KPMG女子PGA選手権」。最終日に9打差を追いつきプレーオフに持ち込んだ。パク・ソンヒョン、ユ・ソヨン(ともに韓国)とのプレーオフは1ホール目で脱落し2位に終わったが、大会ベストスコア「64」で回った18ホールは圧巻。「自分でもビックリした。プレーオフまではいったし、足りないところは見えてきた」と悲願達成を予感させた。
リンクスコースのロイヤルリザム&セントアンズGCで行われた「全英女子オープン」は予選落ち、「エビアン選手権」は16位だった。
2019年 空回りの一年 5大会で3度の予選落ち
メジャー獲りを明確に目標にした昨年は、各大会で優勝候補の一角として名前が挙がるも空回りした。春先に「キア・クラシック」で優勝し、翌週の「ANAインスピレーション」は疲労からか39位。「調子は良かったので結果が伴わなかったのは悔しい」と振り返った。
「全米女子オープン」で予選落ちを喫すると、「KPMG女子PGA選手権」は14位。欧州でのメジャー2連戦となった「エビアン選手権」と渋野が制した「全英女子オープン」は、ともに予選落ちに終わった。
秋口に国内メジャーで2連勝すると「日向子ちゃんが優勝してすごく悔しかった」と率直に心境を明かした。「メジャーという意識を持ち過ぎた。力を入れ過ぎた」と優勝への意識を高め過ぎたメンタル面を反省。20年以降のメジャーに向け「他の大会と変わらないように」と自然体で臨むことを課題に挙げた。
今大会前にはリンクスへの印象も「良いほうに変化してきた」と口にした。初日は午前8時9分(日本時間同日午後4時9分)にネリー・コルダ、ジョージア・ホール(イングランド)とティオフする。