<女子用の美顔器さえも小道具にしてしまう。片山晋呉はやっぱり創意工夫の天才だ>
ずっと気になっていた。ラウンド中に片山がコロコロコロコロ・・・。首やら肩やら、ときおり顔やら。シルバーのV字型の先に丸いボールみたいのが2つ。それをしきりに転がしている。
何のおまじないだろう、と思っていたら、やっと判明した。先々週の「日本オープン」で明らかになった。その正体は女性用の美顔器具。「でも目的は美顔じゃないよ!」と片山。
愛用を始めたのは8月。春に頸椎のヘルニアから来る深刻な腰痛を発症して、長期療養から復帰してきたあとからラウンド中も携行するように。
「すぐに取り出せるように、ポケットに入れてある」。主治医から勧められたそうだ。なんでも、エステティシャンの手技をそのまま再現したという“プラチナ電子ローラー”は、すぐに凝り固まってしまう首や肩にあるリンパの流れを良くして、患部の痛みを軽減してくれる効果もあるのだという。
ひとしきりそんな説明を加えたあとで、おもむろにそれを取りだし会見場でさっそく実演・・・!
「こうしてね、首とかね、肩とかやるついでに、顔もね」と、したり顔でコロコロ。「そうするとね、顔の凝りも全然なくなったのよ」と、美容販売員も顔負けのセールストーク(?)に、どっと沸いた。
しかしもともとはあくまでも首の治療のために使い始めたのであり、「美顔じゃないよ」とそこはなんだかちょっぴり照れくさそうな素振りで「僕は美顔ってキャラじゃないから」と、コースではふてぶてしいまでに自信たっぷりの選手が見せた恥じらい・・・。
「この無精ヒゲだって、僕の場合はヒゲじゃなくて“シャドウ”。少しでも顔を小さく見せるためのもの」と、自虐ネタで「僕が今さら美顔になれないことは、自分が一番よく知ってるから・・・」と、浮かべた照れ笑いもなんだか凄く新鮮だった。
翌週の「ブリヂストンオープン」では、妹の眞里さんがバッグをかついで、「年に一度の親孝行」とか。お母さんに「2人で頑張っているところを見せるため」と、兄妹二人三脚で6位に入って「優勝も近い」。また先週は、ちょっぴりレトロなキャップをかぶって、「テーマはJGA風」とかなんとか・・・。40歳を過ぎても、どこもかしこも見所たっぷり。女子用の美顔器さえも小道具にしてしまう。創意工夫も相変わらずで、そう言われてみれば、確かに最近、ちょっと小顔になったような・・・・・・!?