韓国のS.K.ホが、2年連続プロ日本一の座に!/日本プロゴルフ選手権大会
2002年に3位、2003年に2位。そして、昨年2004年にとうとう大会初優勝。連覇がかかった今年、S.K.がまず気になったのは「3位より下(の順位)に、どれだけ落ちないでやれるか」ということだった。「あんまり下がってしまうのはイヤだから。できるだけ3位に近い順位で終われるようにしよう」と、決めていたが、3日目終了時点で思いがけず単独首位。
「また、今年もここにいられるだけで幸せだなって。このあとの結果は、僕が決めることじゃないから」。いよいよ、連覇達成のチャンスを迎えても、ほとんどノープレッシャーだった。
1984年の中嶋常幸以来8人目。外国人選手としては、1933年のラリー・モンテス以来の連覇達成は、貪欲に技を磨いてきた成果だった。昨年、世界メジャーや、米ツアーのQスクールに挑戦して痛感したのはアプローチの重要性。
硬く速いグリーンに、自在に球を止める技が必要だと感じた。「アプローチに自信がなければ、その前のセカンドショットからプレッシャーがかかってしまうから」と、このオフ、特に力を入れて練習してきたアプローチに今週、さらに磨きをかけるチャンスがあった。
3日目にともにラウンドした谷口徹。球を低く打ち出しスピンをかけて、玉名の硬く速いグリーンにピタリと止めてみせる。はじめは、そんな谷口のアプローチを盗み見るだけだったが、「この人はなんでこんなに止められるのか、と思ったらだんだん頭にきて(笑)」。ついに、14番ホールでたまりかねてこう切り出した。
「僕にも、教えてくださいよ」。この申し出はあっさりと却下されてしまったが、残りホールで目を凝らして谷口のアプローチを観察して真似することで、自分なりにコツをつかんだ。
それが、最終日の18番のアプローチにつながった。グリーン奥からの第4打は、OK距離にピタリ。2位の谷原を、封じ込めたのだった。
ここ毎年のように、シーズン終盤になるとS.K.が悩むことがある。「アメリカに挑戦するか。日本に残って賞金王を狙うか」。米ツアーを受験するためには、9月の賞金ランクで上位にいなければ権利が得られない。予選会のファイナルQスクールは11月末。行けば当然、秋から終盤まで続く日本のビッグトーナメントに出られない。そんな贅沢な選択に心が揺れながら、結局いつも、アメリカへの憧れが勝っていた。
「でも今年は…」。最終戦まで日本に腰を落ち着け、キングの座を狙ってみようかと思っている。
先週、今年発足したばかりの韓国ツアーに初参戦した。まだまだ、運営面で課題を残した母国のツアーを見るにつけ、「改めて、日本ツアーの良さを痛感した」と言う。「コースコンディションはもちろん、運営面や環境もすばらしくて、スタッフのケアも行き届いている。僕ら選手への細かいケアは、世界一といわれている米ツアーよりもむしろ優れているのでは、と思うくらいですよ」。そんな日本ツアーで、「一度は頂点に立ってみたいんですよ」と言う。
この勝利を足がかりに今年こそ、シーズン終盤にトップに立っていたい。