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S.K.ホ、勝利の瞬間/日本プロゴルフ選手権大会

「マスターズより、欲しかったタイトル!」2年越しにようやく掴み取ったプロ日本一の座はこの3年間の成長のあかし…

一昨年の今大会で3位。昨年は2位。そしてシード3年目の今年。いよいよ3度目の正直を果たした瞬間、ホはつくづくと、自分が「大きく成長した」ことを実感していた。 濃霧による中断から、競技再開後の9ホールで深堀圭一郎が猛チャージ。一時は4打差つける展開から、あっという間に詰め寄られた。迎えた最終18番ホールは、わずか1打差。しかし、なぜかホの心は平静なままだった。

「深堀さんは僕よりもうんと強くてすばらしい選手。このまま逆転されるかもしれない…とは思ったけれど、それでもプレッシャーはなく、ただ『僕は最後まで僕のプレーをすればいい。そのあとの結果は、神様が決めること』と、思えたんです」。

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昨シーズン、初出場のメジャー戦『全英オープン』で2日目2位。デービス・ラブIIIら世界ランカーとの優勝争いに加わった。11月には、同郷の大先輩K.J.チョイとペアを組み、ワールドカップにも挑戦。世界舞台での数々の経験が、確かにホの精神力を強くしていた。

最後のパッティングはキャディの一言で吹っ切れた

18番パー5は、ティショットがディボット跡に転がりこんでいた。グリーン右のラフに持っていくのが精一杯のホに対し、深堀はピン左手前10メートルに2オン成功。これを決められれば逆転される。ラフからのアプローチで、どうにかピン奥5メートルの微妙な距離を残したホは、専属キャディの柏木一了さんに言った。

「深堀さんは、きっとこのパットを入れるね」

「…ならあなたも、バーディを入れ返してプレーオフに行けばいいじゃないですか」

これで、吹っ切れた。

深堀がイーグルパットをショートさせ、次はホが打つ番。

「あなたは、ショートだけはしないでください」と、柏木さん。

「絶対に、カップに届かせるよ」と、落ち着き払って、強気で打ったバーディパットは、ど真ん中からカップに沈んだ。悔しい思いを繰り返し、2年越しでとうとう手に入れたプロ日本一の座。「今の僕にとっては、マスターズよりも欲しかったタイトル。僕のこの3年間の成長の証のようで、ほんとうに嬉しくて…」その瞬間、思わずこぶしを天に向かって突き上げていた。

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