「超一流」になれ!高山が2005年開幕戦で念願の初優勝!/東建ホームメイトカップ
高山忠洋は昨年末、東建コーポレーション株式会社の左右田鑑穂・代表取締役社長と、読売巨人軍の小久保裕紀選手と3人で、食事をする機会があった。その席で、和歌山県星林高校野球部の7つ上の先輩でもある小久保選手が言った。
「高山、『超』一流の選手になれよ」。そのためにもできるだけ早く1勝をあげて、壁を突き破らなければならない、と諭された。
「小久保さんはものすごく自分の世界を持っていて。真剣なまなざしにはいつも、吸い込まれそうになる」。尊敬してやまない大先輩の言葉を、胸に沁み込ませた。
今大会の主催者でもある左右田社長とは、「今年、どこかで必ず1勝します」と、約束した。そのとき、左右田社長に「勝って男子ツアーを盛り上げてくれよ」とも言われた。早速、この開幕戦・東建ホームメイトカップで実現できた。
高山がプロゴルファーの道に進むきっかけとなったのは、1995年のフィリップモリスチャンピオンシップ(現・ABCチャンピオンシップ)。田中秀道の、涙、涙の感動シーンをテレビで見て「ゴルフっていいな!あんな素晴らしいプレーを自分もしてみたい」と思った。そのとき高校3年生。ちょうど進路で悩んでいた時期でもあり、すぐにゴルフに転向した。
自分もあのときの田中に負けない好ゲームの末に、初優勝をあげることができた。プレーオフ3ホールという息詰まる激闘を演じて、2005年の開幕戦を盛り上げることができたのだ。
表彰式で、恩人も感極まった。「感動的な初優勝で、私との約束を果たしてくれた高山君にお礼を言いたい。私の手から優勝カップを渡すことができて、本当に嬉しく思っています」と、左右田社長。
出身は和歌山県だが、所属コースは東建多度カントリークラブ・名古屋から遠くない、岐阜県の法仙坊ゴルフ倶楽部。最終日はロープの外から、口々にかけられる地元ファンの声援にも後押しされた。
それに、何より嬉しかったのは、応援にかけつけてくれた両親の目の前で、初優勝を挙げられたことだ。「ほんとうにたくさんの人に、『高山、頑張れ!』と声をかけていただいて。今日はみなさんの声援に勇気づけられながら戦いました。そして何より僕の父と母。今日はほんとうにありがとう!」
2005年最初のチャンピオンは戦い終えたばかりの18番グリーンで、父・学さん、母・千亜紀さんと、固く固く抱き合った。