五輪ゴルフ2024年決定! ニッポンに求められる努力
2016年のリオデジャネイロ五輪で競技種目に復活したゴルフが、2020年東京五輪に続き、2024年五輪でも継続して行われることになりました。国際オリンピック委員会(IOC)が9日に決定したことで、ニュースとして聞くことになったのですが、米国のPGAツアーや欧州ツアーによるゴルフ普及活動が、一定の成果を得たのだろうと感じました。
昨今、世界中のトーナメントで、ゴルフ人口を増やす取り組みがいろいろと見受けられるようになりました。特に、欧州ツアーでは、6ホール競技で2日間の新規大会が開催されたり、練習ラウンドでのショートパンツ着用が許可されたりと、ゴルフをより身近なスポーツとして楽しんでもらう努力が多く見受けられます。
今年3月にR&AとUSGAが公表した「ルール変更案」の内容にも、同じ方向性を感じられるものがありました。ボールを探すことができる時間を、従来の5分から3分に短縮するなど、よりプレーファーストになるための改正案を挙げている部分。これも、私には、ゴルフの伝統的な垣根をなくすための、ひとつの努力と取れると感じられます。今週の全米オープンが、一昨年のチェンバーズベイ同様にパブリックコースで行われるという事実もその一環といえるでしょう。
一方、国内の動きに目をやると、どうしても欧米のそれからは遅れているように思えてなりません。もちろん、男子ツアーにアジアンツアーとの共催大会を増やす動きがあったり、女子ツアーでは積極的に海外選手の正会員を受け入れる動きがあったりと、努力を始めている部分は見受けられます。ですが、積極性という点で、まだまだゴルフ人口を増やす傾向に舵を切ったとは言えない気がしているのです。
2020年、24年と、最低でもあと2回は、五輪でゴルフが実施されます。これを機会に、我々プロの世界はもちろん、メディアやメーカー、練習場や工房など、ゴルフ業界が一丸となってゴルフ人口を増やす努力を行っていかなければならないと感じています。(解説・佐藤信人)