オフに手術を控える川岸史果が2位発進 父・良兼のエールも支えに
◇国内女子◇LPGA新人戦 加賀電子カップ 初日(8日)◇グレートアイランド倶楽部(千葉)◇6526yd(パー72)
今年のプロテスト合格者21選手で競う2日間大会で、22歳の川岸史果が3バーディ、1ボギー「70」で2アンダー2位につけた。このオフには古傷である右足の手術を控えるが、首位の高橋恵とは2打差の好位置。歴代賞金女王たちも掲げてきたカップを目指し、男子プロ・川岸良兼の愛娘が最終日の逆転を狙う。
この日はショットがさえた。同コースで11月開催の「伊藤園レディス」第2ラウンドでは、「65」を出すなど好相性の舞台でもある。「風が出て難しかった」と言うが、12番(166yd/パー3)は6Iで80センチにつけてバーディ。左サイドに池のある難関の18番は、105ydから1.5mにつけてバーディで締めくくった。
今大会を終えると16日(金)に入院し、19日(月)には手術を控えている。今年7月、4度目の挑戦で初めて通過したプロテスト初日に、痛みが出たという右足腓骨(ひこつ)の古傷。最初に痛めたのは、日本大学高2年のときに修学旅行でオーストラリアを訪れた時だった。街中を歩いているときに足を滑らせ、松葉杖をついて帰国した。
以前に病院で受けた診断結果は、骨や軟骨の一部がはがれ、その欠片が関節内を動きまわり激痛を伴う『関節ねずみ』。時間の経過とともに痛みは和らぎ、プレーに大きな支障はなかったが、来年には「楽しみな1年」が待っている。今月の最終予選会(ファイナルQT)で26位に入り、自身初となる来季のフル出場権(例年35位以内で翌年のフル出場が可能とされる)を得て、オフのうちに手を打つことを決断した。
普段は一緒に暮らす実家で、ゴルフの話はしない父も、QTの最終日ばかりは喜んでくれたらしい。帰宅すると、家の前にいた父から無言でハイタッチされた。「珍しい…」と照れたが、受け取ったエールは今も川岸の心強い支えになっている。「巻き返すチャンスはある」。最終日に力を込めた。(千葉県長南町/林洋平)