初のトップ3発進 金髪→黒髪の石川陽子に魔法はかかるか
プロ3年目の石川陽子が「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」(愛知県・中京ゴルフ倶楽部 石野コース)初日、4バーディノーボギーの「68」で首位から1打差の3位タイにつけ、プロ転向後初めてのトップ10スタートを切った。
1992年生まれの22歳。12歳で始めたゴルフは今もコーチを務める父淳一さん(45)に叩き込まれ、2012年のプロテストに一発合格したが「プロテストを受けるまでプロになろうと考えたことはなくて、スコアを出すのが楽しくてやっていたら、こうなった」と、仰天の言葉が口をついた。
というのも「もともと、インドア派の一人っ子」。小学4年のころからパソコンでアニメタッチの漫画を描き始め、子供時代は漫画家を目指したという。ヤーデージブックに挟んだ金属製のしおりは、知る人ぞ知る(?)アニメ「カードキャプターさくら」のキャラクター「ケルベロス」の物だ。
昨年は奇抜なルックスで、話題を集めた。ショートカットにした昨年7月からは「ショートに黒髪はつまらない」と、突如金髪で試合に登場。その後はピンク色にも染め「まるでエヴァンゲリオンの綾波レイ」「いやドラゴンボールのスーパーサイヤ人のようだ」との声も出たという。
本人も「LPGA(日本女子プロゴルフ協会)さんにも怒られなかったので、トレードマークにした」という明るい髪色だったが、今年5月の「サイバーエージェントレディス」の翌週、黒色に染め直した。
カットラインに1打届かず予選落ちし、土曜日のうちに千葉県の試合会場から横浜市の自宅に帰宅すると、号泣した。「土曜日に帰ることが当たり前になりたくないのに、うまくいかなくてモヤモヤした」
そこから気分転換するには「黒髪に戻すしかなかった」という。
昨年の獲得賞金は70万7000円で、今季の出場試合は限られる。翌週の「ワールドレディスサロンパスカップ」ではレギュラーツアーで自身最高となる36位に入ったが、ウェイティングで出場した前週の「ほけんの窓口レディース」では103位に沈み、また2日目で姿を消した。
「先週は練習ラウンドもできず、父と準備は大事だという話をした」といい、今週はショットの飛距離を伸ばすよう満足するまで練習。平均220ydほどという1Wショットが、この日は10ydも伸び、「初めてかもしれない」というノーボギーラウンドにつながった。
まだ戦いは初日を終えたばかりで予断は許さない。2日目は最終組の1組前でプレーする。“魔法少女”モノのアニメも好きだという石川は「魔法が掛かったようにうまくいけばいい」と笑顔を見せた。(愛知県豊田市/片川望)