スラリと伸びた手足が特徴 20歳の新鋭、松森彩夏が自身初の首位発進
国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」初日。プロ3年目の松森彩夏(20)が、ツアー屈指の難コース・川奈ホテルGC富士コースを8バーディ3ボギーの「67」でまわり、2位に1打差リードの5アンダーで自身初の首位発進を決めた。
12時50分の最終組からスタートした松森がホールアウトしたのは、日没も迫った18時過ぎ。「先週から課題だったショットが噛み合った」と、1番では残り105ydの第2打を20cmにピタリと寄せてバーディ発進とすると、3番で3m、4番で2mを沈めるなどバーディを量産。「難しいコースだからこそ開き直れた。(パットでは)そこに打って入らなかったら仕方ないって思えたのが良かったのかも」と、3つのボギーを叩いたものの、スコアを着々と伸ばしていった。
170cmの長身で、スラリと伸びた手足。スリムな体から放たれるダイナミックなスイングが持ち味だ。QTランク11位で今季フル参戦を決めた松森は、開幕からここまで7戦をこなして4度の予選落ち。初めてのツアー連戦による体の疲れは、本人さえ意識しない間に蓄積していたという。
体重を落とさないように、ラウンド中も意識的にバナナや栄養食を摂り、夕食は肉を食べてタンパク源を補給。このオフは瞬発力を鍛えることと平行して、筋力トレーニングを欠かさずに行ってきた。その甲斐あって、得意とするドライバーの平均飛距離は約250ydと、これまで以上に「楽に飛ばせるようになった」という。
昨季出場したレギュラーツアーは9試合のみ。環境が大きく変わった今季は、ホテル予約や移動手段の手配など、それまでは「母任せだった」ことを、すべて自分で行うようになったことで、先の見通しや、スケジューリングなどを的確にまとめられるようになったと、ゴルフ以外の面でも成長を実感している。
しっかりとした口調から、時おり見せるおっとりとした空気感も個性的。「夢は東京オリンピックに出ること。海外メジャーもいいけど・・・、オリンピックの方がもっと特別な感じがするから」。頼もしさと、あどけなさの両方を兼ね備えた20歳の新鋭が、川奈の舞台で奮闘している。(静岡県伊東市/糸井順子)