連続ダボにも心折れず 鈴木愛が辛くもリード守りメジャーVに王手
国内女子メジャー「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」の3日目。4打差リードの単独首位からスタートした鈴木愛は、前半の2連続ダブルボギーが響いて「75」と崩れながら、通算4アンダーでその座を死守。1打差に迫られながらも、初のレギュラーツアー優勝とメジャー初タイトルに王手をかけ、接戦に転じた最終日のスタートを迎える。
ツアーでは自身初めてとなった最終組。「本当にショットが悪かった。すごく苦しくて、長い1日でした」と振り返った18ホールは、序盤の深いラフ絡みのトラブルから始まった。
2番のティショットを右斜面に曲げると、2打目、3打目とラフを渡り歩いて3オン3パット。続く3番(パー5)では左ラフに曲げ、2打目をさらに左斜面下のラフに打ち込むなど5オン2パット。2ホールで貯金を一気にはき出す連続ダブルボギーで後続に並ばれ、自ら混戦を呼び込んだ。前半9ホールを終えた時には、1打差を追う立場に変わっていた
最終組に続いた大勢のギャラリーと歓声が「プレッシャーになった」と認める鈴木。しかし「落ち着いたのは10番ぐらいから」と、バックナインに入り再び這い上がる粘りを見せた。
1打ビハインドのまま迎えた15番(パー3)で、グリーン右奥のラフから13ヤードの2打目を「イメージ通り」と手前のカラーに落とし、そのままカップに放り込むチップインバーディ。オフに練習を積んだショートゲームから生まれた起死回生の1発で単独首位の座を奪還すると、辛くもリードを守りきった。
1打差を追われる身で立つ、メジャー最終日の最終組。「緊張はすると思うけど、できるだけ平常心で、笑顔でプレーしたいです」。憧れの宮里藍が持つ、大会最年少優勝の更新もかかっている。苦しみながらも、明日への流れは築いた。未知の世界にいる20歳が、試練の1日を迎える。(兵庫県三木市/塚田達也)