開幕戦の予選落ちに奮起! 逆転Vの一ノ瀬優希、シーズンへの不安一掃
一ノ瀬優希と酒井美紀とのプレーオフ決着となった国内女子ツアー「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」の最終日。1ホール目に3メートルのバーディパットを沈めて決着をつけた一ノ瀬は、右拳を何度も天に突き上げ、昨年3月「Tポイントレディス」以来となるツアー通算2勝目を決めた喜びを爆発させた。
首位に3打差からの、鮮やかな逆転劇だった。4打差に離されてサンデーバックナインに入った直後の10番(パー5)では、3打目138ヤードを7番アイアンで打ったボールが直接カップに消える起死回生のイーグル。続く11番、15番とバーディを奪い、勢いを留めることなるリーダーボードのトップへと躍り出た。
サンデーバックナインのチャージへの糸口に挙げたのは、スタート時と同じスコアで迎えた9番で沈めた4メートルのバーディパット。「2日目まで前半でオーバーしていたので、絶対に入れてやろうと思っていた。あの9番を入れたから、10番のイーグル、11番のバーディに繋がったと思う」と、ターニングポイントを振り返った。
今年は、不安を抱えてのシーズンインだった。オフに左鎖骨付近を痛めた影響によりクラブを握ることもままならず、「今までで一番、練習が出来ていないオフだった」と、練習不足を自覚していた。通常は「オフは毎日していた」というラウンドも数えるほどしかこなせず、今季から入れ替えたクラブの調整にも大きな遅れが生まれた。「今のアイアンに決めたのもダイキンに入る前日」という先週の開幕戦では、通算5オーバーで予選落ち。昨年はわずか3回しかなかった予選落ちを、初戦から早くも喫する結果となった。
そんな迷いやケガの恐れを振り払うように、今週は納得するまで人一倍クラブを振り抜いた。「先週は先週…と思うようにしていたし、今週は打つしかない、と思って。いつもは他の人も待っているし1カゴ程度だけど、今回は3カゴくらいを毎日打っていた」。
それでも、父でコーチを務める喜一郎さんからは「練習量も減っているので焦らなくていい」と言われていたという。先週の悔しさを晴らしたい執念も呼び水となり、開幕前の不安を払拭する逆転優勝へと結実した。「プレーオフも初めてだったし、嬉しいですね」。
次週は、ディフェンディングチャンピオンとして迎える「Tポイントレディス」。大会連覇への弾みをつけ、女子ツアー初上陸となる佐賀県へと乗り込む。